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ブラジル通貨レアルの為替情報をご紹介します。

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            作成:2014年11月


代表的な高金利通貨 ブラジルレアル
マーケット情報で為替レートを確認(ブラジルレアル/円)

ブラジルレアルの特徴

1.資源国通貨:商品価格に概ね連動する

ブラジルは鉄鉱石などの鉱物資源や大豆などの農産物を産出し、輸出している資源国である。産出する資源価格の動きによって国際収支や国内景気が影響を受けることから、ブラジルレアルも商品市況の動きに連動する傾向がある。

2.高金利通貨:内外金利差がもたらす資本の流れに影響される

ブラジルの政策金利は11.00%(2014年9月末現在)で、世界の主要国・地域の中では相対的に高い水準である。このため、投資資金が流入しやすい環境にあった。

ブラジルレアルのこれまで

【図1】ブラジルレアルの対米ドル為替レート 期間:1994年6月末〜2014年9月末(月次)

【図1】

(1)レアルプラン導入:為替レートは目標相場圏内に固定

ハイパーインフレに悩まされてきたブラジルは、物価安定化政策「レアルプラン」を導入し、1994年7月に市中の通貨をすべて米ドルにリンクした新通貨に切り替えた。これによってハイパーインフレは収束したが、貿易赤字が拡大した。

(2)ブラジル通貨危機:変動相場制への移行とレアル下落

1997年のアジア通貨危機、1998年のロシア危機などの影響により、ブラジルにおいても外国資本の急激な流出が発生した。政策当局は金利の引き上げや財政の緊縮策などの対策を行なったが、1999年1月には固定相場制を放棄し、変動相場制へ移行した。その結果、レアルは大幅に下落した。

(3)ルーラ大統領就任への懸念:政情不安でレアル下落

2002年には左派のルーラ大統領の就任を翌年に控え、外国人投資家の間で債務の持続可能性に対する懸念が強まり、資本流出に伴なうレアル売りが急増した。それによりレアルは大きく減価した。

(4)政情不安の払拭と貿易黒字:資本流入が活発化し、レアル上昇

ルーラ大統領は、就任後に財政・対外収支の健全化に努め、市場の懸念の払拭に努めた。また、世界経済の好調もあって、ブラジルの輸出は倍増し、経常収支は黒字化した。その結果、ブラジルへの投資の魅力が再認識され、資本流入が活発化し、レアルは上昇した。

(5)世界金融危機:資本流出で通貨下落

2008年9月以降の世界金融危機の深刻化とともに、投資家のリスク許容度が低下し、為替相場は急激な米ドル高・レアル安に転じた。政府は一連の景気刺激策を実施するとともに、中央銀行は積極的な利下げを行なった。

(6)レアル高阻止からレアル安阻止へ

2009年以降は、大手格付会社によるブラジルの格上げやオリンピック開催決定などで、ブラジルが世界の投資家の注目を浴び、レアルは再び上昇した。ただし通貨の急激な上昇は国内産業の国際競争力を低下させるとして、ブラジル通貨当局は通貨高抑制策を打ち出していった。非居住者の外国為替取引に対するIOF(金融取引税)課税や、米ドル買いブラジルレアル売りの為替介入などを実施した。ルセフ大統領は「先進国の金融緩和政策が新興国への不安定な資金流入につながっている」との発言などにより危機感を示した。



【図2】
しかし2012年後半からは、世界景気の悪化懸念などを背景に資金流出懸念が台頭し、ブラジルレアルの下落が懸念されるようになった。ブラジル通貨当局は、IOF撤廃や米ドル売りブラジルレアル買いの為替介入などによって、ブラジルレアルの安定化に努めている【図2】。(2014年9月末現在)

【図2】ブラジルレアルの対円・対米ドルレートの推移 期間:2009年12月31日〜2014年9月30日(日次)

為替介入プログラム

(1)為替介入プログラム第1弾 2013年8月23日〜2013年12月31日

ブラジルレアルは2013年5月以降、米国の金融緩和策縮小に対する懸念から、下落基調で推移した。こうしたレアル安の動きを受けて、2013年8月22日にブラジル中央銀行は新たな為替介入プログラム(第1弾)を発表した。従来、通貨の水準に応じて不定期に実施していた通貨安抑制の為替介入に代わって、毎営業日一定規模の為替介入を計画的に行う方針に転じ、レアル相場は回復した。

(2)為替介入プログラム第2弾 2014年1月2日〜2014年6月30日

2013年12月5日には、当初2013年末を期限としていた為替介入プログラムを2014年6月末まで規模を縮小して継続する方針を示し(第2弾)、レアル相場の更なる安定化を図った。

(3)為替介入プログラム第3弾 2014年7月1日〜2014年12月31日

2014年6月6日には、2014年6月末で期限切れを迎える為替介入プログラムの更なる延長を表明した。7月以降のプログラムの継続(第3弾)に加え、中央銀行が保有する潤沢な外貨準備は、引き続きレアル相場の下支え要因となると期待されている。

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