プログレスレポート2025考察
~資産運用業の高度化に向けて~
目次
- 1. プログレスレポートについて
- 2. 資産運用業の高度化に向けて
- 3. まとめ
要約
- プログレスレポート2025が公表された。2020年に始まり、これで5回目となる当レポートは、資産運用業が顧客本位・長期志向のサービスを提供する業界へ深化するための「実務と政策の接点」としての役割を果たしている。
- 2025年の今回のレポートは、各テーマに対し現状がどうなっているかというエビデンスを示し、その課題を提示した上で、各社にそれぞれの取組みについて検討を促すという色彩が強まった感がある。特徴的な点として、国内の資産運用会社が収益基盤を強めていくためのベースとなる現状分析が示された点が挙げられよう。
- 本稿においては、プログレスレポートで示された結果に独自の分析データを加え、日本の資産運用業の現状についての深堀りを行った。
- 日本と海外の資産運用会社の運用資産残高や利益を1つのグラフで表現すると、日本の資産運用会社の残高や利益はかなり小さく、残高に対する利益のイールド(営業利益イールド)は半分以下であった。また、日本の資産運用会社の営業利益率(営業利益/営業収益)は、米国上場資産運用会社と比較し3割程度低い水準である。公募ファンドのデータを用いて分析したところ、日本のファンドの報酬率が平均的に低いことに加え、1ファンドあたりの純資産が小さいことがわかった。
- こうした結果より、日本の資産運用会社には、より付加価値の高い戦略を提供し、“質”と“量”の両面から収益基盤を強化する余地が大きくあると考えている。プログレスレポートには、各社の「今後の強化ポイント」が集計されている。資産クラス×投資地域の組合せをどのような顧客へ届けるか、世界と伍していける会社となるべく戦略が問われている。