Investor Insights調査に見るリタイアメント層のお金に対する考え方
目次
- 1. はじめに
- 2. 退職と金融資産構成の変化
- 3. 資産運用に対する意識
- 4. 公的年金の受給状況
- 5. おわりに
要約
野村アセットマネジメント資産運用研究所は、2025年10月に50代以上の人を対象としたアンケート調査を実施し、その主な結果を「Investor Insights2025(リタイアメント)」(以下、冊子版)として取りまとめ2026年4月に公表した 。本稿では、冊子版に収まりきらなかったリタイアメント層のお金に対する意識について、幾つかの特徴を取り上げる。主な要点は以下のとおりである。
- 全体の約2割が、自分の保有金融資産額を把握していない。特に50代では約4人に1人が資産額を把握していない。冊子版で指摘した「見えない資産寿命」の背景には、資産額そのものを把握していないことも要因の一つとしてある。
- 保有金融資産額の平均は50代が最も低く、60代を境に大きく増えるが、これは退職金の受け取りが影響していると思われる。金融資産の構成は、退職済みの人は、就業中の人より「現金・預貯金」の比率が低く、「年金・保険」の比率が高い。退職を機に保険商品を購入している可能性が考えられる。
- お金に対するアドバイスを必要と感じている割合は50代が最も高く、特に「資産形成の基本」や「資産形成の制度」についてのアドバイスを受けたいとする割合が相対的に高い。
- NISAもiDeCoも利用したことがない人の割合は約6割である。非利用理由としては「制度自体を知らない」「制度や手続きがわかりにくい」が多く、特に50代では、情報不足や制度理解の難しさが目立つ。
- 50代で就労中の人の公的年金の想定受給年齢は「65歳」が58%と最も多い。「70歳」とする人は全体の14%、「75歳」では4%存在する。60代以上の実際の就労状況や想定する健康寿命を考えると、より多くの人が繰下げ受給制度を活用できる可能性がある。