NISA未稼働層に見る課題(意識調査の結果より)
目次
- 1. はじめに
- 2. NISAの現状の総括
- 3. 新NISA開始以降、買付額が0円となっている人
- 4. 意識調査の結果から見たNISA未購入者層の実態
- 5. おわりに
要約
- NISA口座数および買付額はいずれも増加している一方で、口座を保有しながら実際の買付に至っていない未稼働層が一定数存在する。
- 金融庁の公表データでは、2024年中に買付額が0円の口座が約4割確認された。意識調査でも、NISA利用者のうち2024年の購入金額を0円と回答した人(未購入者)が一定割合おり、制度利用が必ずしも実際の買付につながっていないことが確認された。
- 意識調査における未購入者層をみると、「未購入者・投資家」は60代以上が多く、「未購入者・非投資家」は20代の比率が相対的に高い。また、NISA口座を保有している金融機関が分からない人も多い。
- 未購入者層はNISAについて一定の理解はあるものの、利用意向は必ずしも明確ではなく、「どちらともいえない」とする回答も多い。
- 「投資は資産形成において必要だと思う」といった意識は「購入者」と比べて弱く、投資の必要性や有効性を自分ごととして十分に受け止め切れていない可能性がある。
- 金融リテラシー・テストの正答率も高くなく、知識面・心理面の双方で、買付に踏み切るための納得感が不足している可能性があると思われる。
- 未稼働層が口座開設後に初回買付へ移行するためには、制度周知に加えて、具体的な行動につながる支援が必要である。
- 具体的には、口座開設後の段階的な案内、ライフイベントに応じた資金計画の提示、長期的な資産形成のイメージの共有、少額から始められることの明示などにより、きっかけと納得感の両方を提供することが重要である。