企業型DCにおける従業員教育の在り方~プログレスレポート2026より~
目次
- 1. はじめに
- 2. プログレスレポートにおけるDCの指摘事項
- 3. 元本確保型商品中心で運用をしている企業型DC加入者の状況
- 4. 求められる金融知識
- 5. 望ましい従業員教育の在り方
- 6. おわりに
要約
- 2026年7月に、金融庁が「資産運用サービスの高度化に向けたプログレスレポート2026」(以下、プログレスレポート)を公表した。本稿はこの中の『「企業型DC・iDeCo」の環境改善に向けて』で指摘されている事項につき、野村アセットマネジメント資産運用研究所が行った「Investor Insights2025-確定拠出年金に関するDC意識調査-」(以下、DC意識調査)の結果を用いて内容を確認するとともに、企業型DCにおける効果的な従業員教育について検討する。
- プログレスレポートでは、元本確保型商品のみで運用する加入者が全体の20%前後存在する点を問題とし、運営管理機関の①加入者モニタリング、②投資教育、③商品選定・入替状況についての対応が商品選択に影響を与えている可能性がある旨の指摘がなされた。
- DC意識調査によると、ポートフォリオに占める元本確保型商品の割合が高まるほど、低リテラシーに分類される人の割合も同様に高まる傾向が見られ、プログレスレポートの指摘は妥当性があると考えられる。
- 元本確保型商品を中心に運用する人は「インフレの定義」「リスク・リターンの関係」「分散投資」に関する理解度が低く、これらの知識不足が商品選択に影響を与えている可能性がある。
- したがって、企業型DCの投資教育では、これら3項目の知識を相互に関連付けて説明することが重要である。また、例えば50代以上に対しては退職を見据えた資産の取崩し等のアドバイスを行うなど、加入者の状況に応じて提供するコンテンツを変更することが望ましい。