日本次世代経営者ファンド 社員インタビュー
#5 『現場・傾聴』の重視と『妥協を許さない徹底的なこだわり』で世界に認められる企業へ

Keyword
- ミルボン
- MILBON
- ヘアケア
- 美容師
- 美容室
- ECサービス
- サスティナビリティ
- 環境保全
- 品質向上
「新しい風で日本の未来を切り開く。」
本インタビューでは、次世代の日本を担う若き経営者を支える、社員のインタビューを紹介します。
ミルボンは、美容業界での革新を追求し、ヘアケアブランドにおいて高い認知度を誇っています。
今回は研究を担当されている、M.M.様(中央研究所 製剤基盤研究チーム)、生産を担当されているT.M.様(ゆめが丘工場 総務課)、営業を担当されているT.O.様(福岡営業所 フィールドパーソン)に、製品開発、環境への配慮、品質維持、未来につながる取組みなどについてお話を聞きました。
Q 製品の開発、誕生について教えてください
M.M. ミルボンでは、美容師様の考えや技術をもとに製品開発をしています。毎日たくさんのお客様と向き合う美容師様は、時代やお客様の気持ちの変化を敏感に捉えられており、理想を叶えるための技術を日々磨いておられます。そういった考えや技術を製品設計に落とし込み、商品を生み出しているのです。
例えば、弊社のヒット商品であるオージュアはお客様の悩み別にラインを揃えていますが、「今のラインの中でもまだ対応できていない髪質はあるか?」というヒアリングから、新しい悩みを見つけています。またその悩みに対応する技術を美容師様に学び、それを製品で体現するための研究開発を進めています。
新たな悩みを解決するには新たなテクノロジーが必要ですが、ミルボンでは世界最高峰の研究施設であるSPring-8の活用や、大学との共同研究を通して基礎研究を行っています。そのような基礎研究の中には化粧品の国際学会で賞をいただいたものもあり、研究力の高さは世界的に通用するものだと思っています。
このように、日々の美容師様との対話を基に研究が行われ、製品が生み出されています。

M.M.様
Q 環境への配慮について教えてください
T.M. 私は環境保全やサスティナビリティを担当しています。
ミルボンのゆめが丘工場では、2030年までにカーボンニュートラル生産体制の構築を目指しています。カーボンニュートラルに向けて、早めにCO2フリー電力の調達が実現できたことは、ミルボンにとって大きな成果だと考えています。今後この取り組みをしっかりとアピールしていきたいです。
また、ミルボンは水資源の管理にも力を入れており、ESGチームと協力して地域の水質調査や自然観察会を実施しています。
これらの活動は今年で2年目を迎え、地域との交流が増え、社員とその家族のつながりも深まっています。今後も地域との関わりを大切にし、活動を広げていきたいと考えています。

T.M.様
Q お客様との信頼関係構築に向けた取り組みについて教えて下さい
T.O. ミルボンでは「美容師・美容室のために」という意識が共有されているので、「ここまで美容師のためにやるのか」と驚かれるようなサービスも展開しています。例えば、美容室向けに育児休業の仕組みや活用方法をまとめたガイドラインを作成し、ご提供することも行っています。美容師様の課題を聞き取り、それに基づいて新しい仕組みを作り上げる取組みは美容師様との信頼関係構築につながり、自分たちのやりがいにもつながっていくので、ミルボン社員の皆が生き生きと仕事をしていると感じています。

T.O.様
ECサービスの先駆的導入
T.O. ミルボンは、美容業界で実現が難しいとされていたECサービスを業界に先駆けて2020年にスタートしました。
当社調べでは、美容室で商品を購入されたお客様のうち、リピート購入する方は約40%ほどです。これは、商品がなくなるタイミングと美容室へ行くタイミングが合わないことなどが理由なのですが、美容室が個々でECサービスを提供することは在庫管理や配送コスト等の課題で意外と難しかったのです。そこで、美容室が出店し、自店のお客様へ商品を提供できるECプラットフォームを構築しました。milbon:iDというこのECサービスは、それぞれの美容室とお客様をつなぐ仕組みとして、広くご活用いただけるようになっています。
Q お客様に選ばれつづけるために、大切にしていることを教えていただけますか?
▼製品開発へのこだわり
M.M. 私たちは、シャンプーやトリートメントの製品に配合する原料へのこだわりが強く、ミルボンの製品は、0.0001%という細かな濃度まで配合量にこだわっています。この微細な調整が、目指す効果や仕上がりに妥協を許さず、徹底的にこだわりを持っている証拠だと考えています。
一つの製品が完成するまでには、500回もの試作を重ねることもあります。このこだわりこそが、ミルボンの製品品質を支えていると確信しています。
お客様や利用者の意見をきちんと傾聴する姿勢が、製品の品質向上に繋がると考えており、「現場・傾聴」という考え方を非常に大事にしています。一般的な企業では、研究員が研究所に籠もり、企画に沿った製品開発に専念することが多いですが、ミルボンの研究者は自ら美容室に足を運び、美容師様やお客様の声を直接聞くことを重視しています。
▼製品の多様性と品質の維持・向上の取り組み
T.M. ミルボンが生産するのはプロ向けの製品なので、その種類は非常に多いです。在庫が残らないように調整し、常に最適な量を生産することが求められているところに難しさがあります。
そのため、ゆめが丘工場には、計画課、購買課、受注課、物流課といった組織を配置、ものづくりの上流から下流までを一貫して担当することで、スピーディーかつ効率的なものづくりを実現しています。こうした専門部署が工場内に揃っていることは非常に珍しいのですが、この仕組みと連携が、欠品を防ぎ、美容室へタイムリーに製品をお届けすることを可能としています。
また、ゆめが丘工場では、化粧品の製造管理及び品質管理に関するISO認証を取得しており、品質、職場環境、働きやすさ、環境保全について外部からの評価を受けています。
PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを実施し、自社の成果を客観的に見つめ直すことで、常に品質の向上を追求し、世界から認められる企業を目指しています。
Q 未来につながる取り組みについて教えてください
T.O. 年1回、キャリアや部門に関係なく、誰でも応募できるプロジェクトがあります。新しい価値、新しい顧客、新しい市場の3つを創造していく上で、ミルボンが課題としているところは何か、を資料にまとめて提出します。 社長に承認いただくと、リーダーとなってプロジェクトを運営することができます。
会社の未来を考える良い経験になり、若くしてリーダーの経験を積むことができるので、とてもよい取り組みだと思い毎年チャレンジしています。
M.M. 美容室は定期的に通う場所で、美容師と「美と健康」の両方の話ができる場になるのではないかと考えています。美と健康の両方に通じるビューティヘルスケアという領域を通じて美容室の新しいあり方を作れるのではないかと考えており、未来につながる製品ができるように、ビューティヘルスケア製品の開発にチャレンジしています。
今回のインタビューを通じて、ミルボンの製品開発や顧客に対する真摯な姿勢、市場における独自性と社会貢献の姿勢が強く印象に残りました。 社員の皆様、貴重なお話をいただき、ありがとうございました。
上記の内容は投資勧誘を目的としたものではなく、特定銘柄の売買などの推奨、また価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。
上記の内容は「次世代の日本を担う若いと考えられる経営者」のご紹介であり、採り上げた企業を当ファンドが保有しているとは限りません。
(掲載日:2025年5月23日)