野村アセットマネジメント 退職後の資産運用と資産活用

リタイアメント世代の社員にインタビュー!
働く60代の本音:これからの暮らしとお金のこと。<前編>

リタイアメント世代の社員にインタビュー

定年退職後のセカンドライフをどのように過ごすか。これまで仕事優先で、後回しにしていた旅行や趣味を思いっきり楽しもうとわくわくする反面、定期的な給与収入が途絶え、今後の生活に不安を持っている方も多いのではないでしょうか?
今回、60歳で定年退職を経験し、60歳を超えた今でも再雇用で働き、2025年4月に新設の「リタイアメントソリューション部」にてリタイア後の資産の取り崩しをテーマに活動する野村アセットマネジメントの社員8名に、これからの暮らしとお金のことをインタビューしました。
これから定年を迎える方、すでにリタイアされてセカンドライフを過ごしている方の参考になるヒントがあるかもしれません。

<前編>では、60歳で定年退職を経験して、実際に「やって良かったこと」「やるべきだったこと」や、退職金・年金にまつわる具体的な選択について語ります。

目次
<前編>
<後編>
  • 5. リタイアメント世代の「資産の取り崩し」について、どのように考えていますか?
  • 6. 今後の保有資産の配分や運用方針について、どのように考えていますか?
  • 7. 家族でのお金の管理や相続について、どのように考えていますか?
  • 8. セカンドライフに叶えたい夢や目標は何ですか?

1. 現役時代にやっておいて良かったと思うこと、やるべきだったと思うことは何ですか?

Aさん:
少ない額でも投資を続けてきたことは本当に良かったと思っています。
現役時代は余裕資金を全て運用に回していました。そして入社以来ずっとバランス型ファンドの積立投資を続けています

Eさん:
私もNISAのつみたて投資枠を活用して積立投資を続けています。積立投資は自動的に時間分散できる手段ですが、それだけでなく、自分のリスク許容度に合わせてバランスよく資産を組み合わせること(分散投資)、時間を味方につけること(長期投資)もご理解いただきたいですね。
それと、私は勉強不足で退職時に企業型DCからiDeCoへ資産を移換できるという選択肢があることを後から知りました。こういう知識や情報を持っているかどうかというのは大きな差になります。NISAやiDeCoなどの制度は知らないと活用しそびれてしまうので、しっかり把握しておくべきだと思いました。

Hさん:
子供たちが生まれた時に子供名義で投資信託の積立を始め、その資金を大学の学費に充てることができました。途中で評価益が大きく目減りし、大学進学時に損失が出ていたら結婚資金に回そうと考えていましたが、結果的にはかなり増えていて助かりました。

Aさん:
セカンドライフを楽しむためにも、趣味を持つと良いと思います。
私は少林寺拳法を始めて5年目になります。50代後半で始めた趣味が今では生き甲斐となり、また同世代の仲間もできて楽しく続けています。始めるにはもう遅いなどと思わずに、気になったことを色々やってみると良いと思います。

Gさん:
自分の業界以外の人脈を広げておくのも良いと思います。まったく違う業種、まったく異なる考え方の人と交流することで、自分の知らない世界を知ることができますよね。

Fさん:
自分の健康を気遣うことも忘れないでいただきたいです。バランスの良い食事をすること、じっくりと睡眠をとること、コツコツと運動すること。「バランスよく、じっくり、コツコツと」というのは、資産運用の3つのコツ(分散投資/長期投資/積立投資)としてお伝えしていますが、健康も同じですね。

Dさん:
よく考えて買い物するべきだったと反省しています。不思議なことに、買い物には反省や後悔が残る一方、経験には反省も後悔もなく、やはり物より思い出だと、今は思います。

Bさん:
振り返ると、住宅ローンや子供の教育費でいつも余裕がなく、つい節約が優先になっていたので、もう少しうまくお金を使ったり、もっと自分に投資しておけば良かったなと今更ながら思います。

Fさん:
これから妻と二人で過ごす時間が増えるので、夫婦で意思疎通をしっかり図っておくこと、夫婦で協力していくことが大切だと思います。

Eさん:
私と妻は趣味が全く真逆なので、お互いの個別の価値観や個別の時間は尊重して、侵さないようにしています。

Fさん:
これからの時代は生成AIなどを当たり前に活用する時代になるでしょうから、そういった先端技術を使いこなせるようになる必要があると思っています。リタイアメント向けのサービスも、スマートフォンを通したアプリやAIを使って受けられるものが多くなると思うので、苦手だからと遠ざけずに、チャレンジしていかなければと思います。

2. 60歳の定年を迎えて、お金の使い方に変化はありましたか?

Dさん:
私はすごく支出を絞りました。現役の時は欲しいものを買っていましたが、今は必要なものに絞っています。やりたいことが色々あるので、優先順位をつけて本当にやりたいことにお金を回したいと思います。

Hさん:
現役時代と比べて給料が減り、使えるお金が減るので使い方は自然と変わりました。ただ、これは事前に分かっていたことなので、収入が減るということを意識した生活の見直しは、55歳頃から始めていました
やはり固定費は少しでも減らしたいので、携帯電話の料金プランを見直したり、退職金で生命保険の残額を前倒しで一括払いしたり、今後の月々の支出額を減らす工夫をしています。

Gさん:
自分の親を見ていて、75歳を過ぎると本当にお金を使わなくなるなと思いました。私も物欲は薄れてきましたが、まだ経験していないことや昔の体験をもう一度味わうことにお金を使っていきたいです。

Dさん:
61歳の頃はまだ現役の時と価値観はあまり変わらなかったけど、今64歳になって65歳が間近になると、リタイア後の生き方を考える時間がどんどん増えてきました。65歳から年金を受け取るとして、いくら足りないのかということをリアルに考え始めています

Bさん:
今は交際関連には惜しまずお金を使っています。仕事を離れるとだんだん付き合いも減ると思うので、機会があるうちはなるべく参加するようにしています。

Dさん:
飲食店や映画館・カラオケなどの娯楽施設、他にも色々なシニア向けの割引サービスがあるみたいなので活用したいと思います。

Eさん:
うちの近所の有料の公園にもシニアは無料で入れます。

Gさん:
私が住んでいる地区では月数回、銭湯を使えるサービスがあるらしいです。

Bさん:
お金ということで気を付けたいのは住民税です。住民税を1年遅れで支払うこと(※)には注意が必要ですね。

  • (※)住民税は前年の所得に基づいて計算されるため、退職して翌年収入がなくなっても、前年分の住民税を納付する必要があります。

3. 60歳で定年を迎えた際、退職金はどのように受け取りましたか?

Gさん:
少しは運用したいと思って、半分は一時金で受け取り、半分は年金という形で受け取っています。

Cさん:
私は退職所得控除(※)で非課税となる部分は一時金で受け取り、それ以外は年金にしています。

  • (※)退職金額が退職所得控除額より少ないときは非課税となります。

Dさん:
私も退職所得控除できる部分は一時金で受け取って、住宅ローン返済に充てました

Eさん:
一時金と年金の併用を選択して、年金は給料と合わせて同じような性格のものとして使っています。一時金の方は住宅ローンの返済に使いました。
住宅ローンの返済については、夫婦でも価値観の違いがあって、妻は万一のことを考えて、返せるなら早く返して欲しいという考えです。退職金としてまとまったお金が入ってくるので、それをどう配分するかというのは単純に経済的な価値観だけでは決められない部分がありました。

Bさん:
私の場合、住宅ローンは返済済みでしたし、その他に大きな支出の予定もなかったので、公的年金に加えた定期的な収入源とするために、一時金で受け取らずに全て年金として受け取っています

Aさん:
私は中途入社で、条件的に一括での受け取りしか選択できませんでした。住宅ローンは再雇用で働いている給料から返済予定なので、退職金を返済に充てることはしませんでした。

Fさん:
私の場合、複数回の転職をしているので、退職金を受け取るのは今回で3回目です。退職金ということを考えると、やはり一つの会社に長く勤める方が良いということは実感しました。

4. 公的年金について、65歳で受給予定ですか?それとも繰下げ受給(※)を検討していますか?

Hさん:
老後のキャッシュフローを少しでも増やしたいので、できれば70歳まで働き、働いているうちは受給を繰下げて年金額を増額させたいと考えています。

Bさん:
繰下げはしない予定です。65歳以降に働くかどうかは未定ですが、一定額以上の所得があると支給停止になる場合があるし、支給停止になった分は繰下げの増額対象外となる(※)ので、所得がある場合には思っていたより増額されないこともあるようです。

  • (※)年金を受給しながら働く高齢者について、一定額以上の報酬のある場合、年金の支給を調整する仕組み(在職老齢年金制度)があります。在職老齢年金制度により支給停止される額は繰下げ受給の増額の対象になりません。

Fさん:
私は65歳から受け取る予定ですが、受給を繰下げるかどうかを悩んでいる人は私の周りでも多いです。
いつまで健康なのか、いつまで生きるのか、これが分かるなら、一番有利な方法を選ぶのでしょうけど、どうなるかは分かりませんからね。

Gさん:
健康寿命(※)を考えると、お金にしても時間にしても一番使えるのは75歳くらいまでだと思うので、とにかく今使えるのであれば、早く受け取って使った方が良いという考え方もありますね。

  • (※)令和4年の健康寿命:男性72.57年、⼥性75.45年 出所:厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」(https://www.mhlw.go.jp/

Dさん:
私は実際にはまだ受給していないけど、以前大病をして健康に不安があるので、楽しむために早くもらい始めるというのも良いかなと思って、逆に繰上げて受給しようと考えたこともあります。

Aさん:
仮に65歳以降も働き続けることになれば、繰下げ受給も考えるかもしれませんが、完全リタイアするなら65歳から受給すると思います。

Eさん:
再雇用で働いているということもあり、まだ受け取っていません。
公的年金は65歳になったら自動的に受給できるわけではなくて、受給開始の手続きが必要なので、受給開始を希望するタイミングで手続きを忘れないようにしなければなりませんね。

* 参考コラム「年金の繰上げ受給・繰下げ受給~自分に合った年金受給開始のタイミングは?~

<後編>は近日公開いたします。
<後編>では、資産をどう使い、どう守るかといった課題から、セカンドライフの夢や希望について語ります。

記載の内容は、インタビュー時点(2025年11月)のものです。
記載の内容は、あくまでも個人の見解であり、会社としての統一的見解として記載しているものではありません。
当コラムの記載事項・見解は、全て当コラム作成時点で当社が知り得る情報に基づくものです。将来、制定される制度の内容が変更になる、または一旦制定された制度が変更・廃止になる可能性等があります。