野村アセットマネジメント 退職後の資産運用と資産活用

リタイアメントプランニングの実例

60歳以降の収支状況と、保有資産を活用していくための方法を具体的なモデルケースを用いて紹介します! 野村アセットマネジメント リタイアメント・アドバイザー

お金のコーディネート術を理解したら、次は具体的なリタイアメントプランニングの例を用いて、生涯にわたるお金をイメージしてみましょう。ここでは、夫の退職を迎えた夫婦をモデルケースとし、60歳以降の収支状況と、保有資産を活用していくための方法を紹介します。

夫の退職を迎えた夫婦のモデルケースのイメージ

Step 1 生涯にわたる収入と支出を試算し、必要な金額を“見える化”

まずは生活状況を書き出し、100歳までの期間もしくは平均余命に5年程度を加えた期間を目安に生涯にわたるお金を計算してみましょう。ここでは、男性60歳の平均余命(23.6歳)※5を参考に90歳で試算します。また、旅行やボランティア、子供の結婚費用等を含めて「人生を楽しむために使うお金」を見積もります。

90歳までの期間で算出した生涯にわたる収入と支出および保有資産額
90歳までの期間で算出した生涯にわたる収入と支出および保有資産額のイメージ

上記を基に計算すると、90歳の資産額は、9,216万円(収入計)+2,588万円(60歳時点の保有資産額)-10,788万円(支出計)=1,016万円となります。仮に、保有資産額ゼロで生涯を終える場合は、この1,016万円(月額2.7万円)「人生を楽しむために使うお金」となるわけです。
ここで考慮したいのは、60歳時点の資産額を70歳や80歳で維持する必要は必ずしもないことです。年齢を重ねるごとに挑戦できる機会は少なくなっていくことも念頭に置き、70歳や80歳の時点でどの程度資産が残る見込みなのか、また残っていればよいかを考えながら、年一回程度は定期的な確認を行い、必要に応じて計画の見直しを行うことが大事です。
一方で、頭ではわかっていても、定期的な収入がなくなり公的年金での生活が中心となると、思うようにお金を使えなくなるという人も多いのではないでしょうか。では、資産を使い切る年齢は何歳になるのでしょうか。
仮に、生涯の支出に変化がないと仮定した場合、先ほど計算した90歳時点の資産額1,016万円を65歳以降の年間収支の不足額である72万円(年金収入276万円-生活費348万円)で割ると約14年となるため、104歳までは資金はゼロにならない計算になります。必要な金額を“見える化”することで、心にゆとりが持てるようになるのではないでしょうか。

保有資産額の推移
保有資産額の推移のイメージ

Step 2 将来にわたるお金のコーディネート

次に、Step 1で具体化した金額を基に、保有資産を活用していくための計画を練っていきましょう。

① 支出の整理

日々の食費や携帯代などの出費に無駄がないか、今一度見直してみましょう。無理をしてまで生活費を切り詰めるのではなく、退職後の生活を豊かに過ごせる範囲で整理することが重要です。

② 収入の拡大検討

収入を拡大する方法としては、主に勤労の延長と資産運用によってお金に働いてもらうことがあげられます。勤労の延長については、例えば70歳まで働き年金受給を70歳まで繰り下げることで、収入額を増やすことが可能となります。資産運用については、例えば年率3%で運用することができた場合、「人生を楽しむために使うお金」を計算すると月額約7.3万円※6となりました。累計取崩可能額は、運用しない場合の1,016万円に対して、3%で運用できた場合は2,716万円となりました。

3%で運用できた場合※6
運用しない場合の取崩可能額の比較
3%で運用できた場合※6と運用しない場合の取崩可能額の比較のイメージ

③ 計画的な資産の取り崩しと定期的な計画の見直し

退職後の「わたしの自由時間」を豊かに過ごすためには、具体的なプランを立て、資産を計画的に取り崩すことが非常に重要です。大きな出費があった際には、再度プランニングをして現状を把握することで、不安の解消や目標・やりたいことの見直し、実現度の向上に繋がるでしょう。
「退職後のお金は使うためにある」という気持ちで、今から実現したいことを始めてみてはいかがでしょうか。

記載の内容は、制作時点(2025年11月)のものです。
記載事項・見解は、全て作成時点で当社が知り得る情報に基づくものです。
当コラムで用いたデータに関して、モデルケースで示した数字は千円単位を四捨五入しております。Step 1.2で示したデータは、出所基のデータを用いて計算しているため、計算結果が一致しない場合があります。