次世代経営者インタビュー

#3 自ら成長機会を求めて、常に学び続け、チャレンジする

株式会社マネーフォワード
代表取締役社長 CEO

辻 庸介氏

Keyword

  • マネーフォワード
  • 価値の創造
  • テクノロジー
  • チャレンジ
  • 学び続ける

「新しい風で日本の未来を切り開く。」

本インタビューでは、次世代の日本を担う若き経営者をシリーズで紹介します。
第3回は、個人向け資産管理サービス、法人向けクラウドサービスなどを手掛けるマネーフォワードの辻庸介(つじ・ようすけ)社長にお話を伺います。「マネーフォワード」というサービスは実は失敗から生まれました。「新しいことをやれば、失敗はつきもの」という辻氏に、チャレンジすることの大切さとそのサポートの在り方、経営者として重要視している資質などについて語っていただきました。

株式会社マネーフォワードのロゴの前で語る代表取締役 辻氏と聞き手、野村アセットマネジメント株式会社 桜井
左︓
株式会社マネーフォワード(以下、マネーフォワード)
代表取締役社長 CEO 辻 庸介氏
右︓
[聞き手]野村アセットマネジメント株式会社 グローバル・リサーチ部
シニア・エクイティアナリスト 桜井 雄太

「マネーフォワード」は失敗から生まれた

桜井 マネーフォワードの創業期について、「8人で高田馬場のワンルームマンションでスタート」という話は有名ですが、創業の経緯についてお聞かせください。

創業前は新卒でソニー株式会社に入社し、その後オンラインの証券会社で働いていました。個人投資家がいつでも、どこからでも、低い手数料でサービスにアクセスでき、機関投資家と同じくらいの豊富な投資情報を入手できるなど、会社の変革を間近で経験しました。ここでは、テクノロジーのインパクトや、インターネットのパワーを目の当たりにしてきました。
一方で、オンライン証券のユーザーはまだまだ限られていて、株式取引のサービスだけでは一般の生活者になかなか届かないのも事実です。もっと幅広い人々に対して、インターネットの力でお金にまつわる課題を解決できるサービスを作りたいと思い、創業に至りました。

桜井 最初に作られたが「マネーブック」という、自分の資産運用を公開する交流サイトのようなサービスだったのですよね。

サービスの立ち上げ経験もなく思い込みだけで作った結果、うまくいきませんでした。この経験が、のちにマネーフォワードのバリューの1つである「User Focus」に繋がっていきます。一貫して「お金×インターネット」というテーマにこだわり続け、ユーザーに喜んでもらえるサービスを作りたいという強い想いを持っていました。この想いをきっかけに、創業メンバーの一人である瀧(俊雄氏)と喧々諤々の議論を重ねて生まれたものが、現在の「マネーフォワード ME(ミー)」となりました。

マネーフォワードの創業の経緯について熱弁する辻氏(左)と、それに聞き入る桜井(左)の写真

桜井 辻社長個人による自社株取得に関するニュースリリース(2023年11月6日付け)の中で「よりチャレンジできる社会づくりに貢献する」ことを掲げられています。個人として、組織としてチャレンジすることの重要性について、どうお考えでしょうか。

創業から現在に至るまで、チャレンジをして、失敗して、ファインチューニング(微調整)をする、そんなことの連続だったと思います。
マネーフォワードは何もないところからスタートし、現在は50~60程度のサービスを運営していますが、その裏には失敗して閉じたサービスもあります。
新しいことをやろうとすると、必ず失敗もあります。しかしチャレンジがないと、新しいサービスは生まれず、新しい価値を創造することもできません。
我々のようなゼロからスタートしたベンチャー企業がチャレンジをして、多くの失敗の中から、成功したものを社会に還元することが重要です。この流れを作っていくことがマネーフォワードの存在価値の1つでもあると考えています。

桜井 経営者として、社員のチャレンジをどうサポートすべきとお考えでしょうか。

チャレンジを成功に導くためには、環境を整える必要があります。以前、会社としてコミットして新規サービスの開発を進めていた際にそのプロジェクトがやや難航していたことがありました。プロジェクトに必要な経験を持ったエンジニアが配置できていなかったことが後から判明し、意思決定の質をもっと上げていく必要性を痛感しました。
教訓や反省を得るという意味では、失敗はウェルカムですし、恐れることはありません。メンバーには、「チャレンジ、失敗はラーニングの好機である」といつも伝えています。
8人で創業した時も、現在の2100人ほどになっても、適材適所のチーム作りに100%満足することはありません。採用や育成も併せて取り組んでいます。

あらゆる立ち位置からチャレンジすることの重要性について、辻氏の見解を伺う桜井の写真
チャレンジなくして、新しいサービスや新しい価値は創造できないと語る辻氏の写真

わくわくしながら、新しいものを作りたい

桜井 辻社長は新経済連盟や経済同友会の幹事を務めていらっしゃいます。社外の経営者との交流を通じて、優れた経営者に共通する資質を感じることはありますか。

経営というのは、経営者自身のパーソナリティの上に成り立つものです。一人一人そのパーソナリティが異なるため、他の経営者のまねはできません。自分自身のパーソナリティの上に立った経営をやるべきだと考えています。
経営者のパーソナリティとして優れていると思うことは、誠実であること、人を大事にすること、そして長期の目線で社会をどう良くしていくかを考えていること。何より、わくわくしている人、新しいものを作ろうという情熱がある人に憧れます。

優れた経営者たる資質について持論や想いを語る辻氏(右)の写真

桜井 辻社長のパーソナリティは重要な軸になるものですが、ビジネスパーソンとしてどんなことを意識していらっしゃいますか。

学び続けることが大事だと思います。20代で経験した経理部では、ゼロから経理の勉強に取り組みました。その後、業種や業態も異なる出向先で、CEO室やマーケティング担当になり、ここでもまた勉強して、海外留学を経験しMBAも取得させていただきました。
最近では、海外の有名大学が提供するAIに関するオンラインのエグゼクティブコースを自費で受講して、学生のようにレポートを書きました。新しいことを学ぶことは、楽しいですね。
実は、当社のエンジニアの約4割は日本国籍以外のメンバーが占めています。そういった背景から2024年11月までに全エンジニアの公用語を英語化する予定です。私自身も勉強中で、車の中で必死にシャドーイング(聞いた英語をまねる)をしています。

自身の経験から得た学びの大事さについて語る辻氏の後ろ姿(左)と、ビジネスパーソンとしての意識することを質問する桜井(中央)の写真

桜井 長期目線の時間軸で考えたときに取り組みたい課題や、育てたい領域などがありましたら教えてください。

我々は「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションの下、これを達成するために「お金のプラットフォーム」になるというビジョンを掲げています。個人の家計や資産の見える化、企業の経理業務の効率化などを通じて、ある程度その達成が見えてきています。これまでの「問題を解決する」フェーズから、次は「成長をサポートする」フェーズに入ってきていると感じます。
さらにその先には、お金のプラットフォームから「人生のプラットフォーム」を目指しています。現在は今後10年を見据えた計画を策定していて、もう少しアイデアを具体化させていきたいと考えています。

マネーフォワードのロゴの前で笑顔の辻氏(左)と桜井(右)の写真

日本人はもっと自信を持って、チャレンジを!

桜井 最後に、日本の働き盛り世代にメッセージをお願いします。

ご存じの通り、日本は課題先進国ですが、私は日本の将来を悲観してはいません。少子高齢化、人口減少がここまで進んでいる国は他になく、AIなどのデジタル技術の活用にも積極的で、世界に先駆けてソリューションを作ることができれば、むしろチャンスとなります。
皆さんには、 相対的な物差しを持って、ぜひ積極的にチャレンジしていってほしいと思います。自分が成長できる環境を求めて、どんどん動いていくことも重要です。グローバルで通用するような人材を目指して、学び続け、チャレンジしていってください。

桜井 常にチャレンジを続けられているご自身の経験に裏付けされたメッセージですね。今回は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

上記の内容は投資勧誘を目的としたものではなく、特定銘柄の売買などの推奨、また価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。
上記の内容は「次世代の日本を担う若いと考えられる経営者」のご紹介であり、採り上げた企業を当ファンドが保有しているとは限りません。
(掲載日:2024年2月1日)

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