Special Message 『つみたて投資』をしている皆さまへ #01

『つみたて投資』をしている皆さまへ #02

野村アセットマネジメント
五月女シニア・ストラテジスト
からのメッセージ

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけとして世界の金融市場が大きく揺れ動いています。株価の大幅下落などによってご自身の投資評価額が目減りしていることから、「このまま 『つみたて投資』を続けていていいのだろうか?」というような不安な気持ちになられている方も少なくないと思います。

そのような今だからこそ、平成バブルやITバブル崩壊、リーマンショックなど数々のマーケット急落の体験をベースとした 『つみたて投資』 についての考えをご紹介させていただきます。

定期的に同じ金額の投資を続けていく『つみたて投資』は、一般的な投資(安いタイミングで買い、高くなったら売って利益を獲得することを目指す)とは異なる特徴がいくつかあります。まずはいったん冷静になり、『つみたて投資』の特徴を一緒に思い出してみましょう。

皆さまの今後の投資方針を考えるにあたって、多少でもヒントになれば幸いです。

野村アセットマネジメント
シニア・ストラテジスト

五月女季孝

1 わたしの『つみたて投資』ってどうなっているの?

Saotome's Answer

『つみたて投資』と一口に言っても、何に投資をしているのか?いつから投資を始めたのか?によって、現在の投資評価額や損益額は異なります。いくつかのケースにわけてみてみましょう。

※【条件】毎月月末に3万円でつみたて投資
(手数料、税金等は考慮せず)

投資対象日本株インデックス東証株価指数(TOPIX)

  • 投資期間:2014年1月~2020年3月(NISA制度スタート時からつみたて開始)グラフ

  • 投資期間:2008年9月~2020年3月(NISA制度スタート時からつみたて開始)グラフ

  • 投資期間:1999年12月~2020年3月(ITバブル崩壊時につみたて開始)グラフ

投資対象外国株インデックス
MSCI-KOKUSAI指数
(円ベース・為替ヘッジなし)

  • 投資期間:2014年1月~2020年3月(NISA制度スタート時からつみたて開始)グラフ

  • 投資期間:2008年9月~2020年3月(NISA制度スタート時からつみたて開始)グラフ

  • 投資期間:1999年12月~2020年3月(ITバブル崩壊時につみたて開始)グラフ

何に投資しているのか?あるいは、投資を開始した時期によっても損益額は異なります。また、投資をしている間も損益額の状況が刻々と変化している様子が見てとれます。まずはご自分の『つみたて投資』の現在の状況や評価額を調べてみましょう。

from Saotome

1~3ヵ月に1度など、定期的に評価額を調べることをお勧めします。また、市場が大きく値上がり/値下がりしたときにも確認しておきましょう。実際の値動きを見ると 『つみたて投資』 への理解が深まっていくと思います。

2 価格が下がっているけど大丈夫?“ドルコスト平均法”

Saotome's Answer

ご自分の投資評価額がいくらになっているか、わかりましたか?
調べた結果、利益が出ている方は「利益がある今のうちに売却しようか?」と考えてみたり、損失となっている方は「損が膨らまないうちに売却しようか?」と悩んでいるかもしれません。
その前にちょっと思い出してほしいことがあります。
『つみたて投資』とは、「一定の金額で、定期的かつ継続的に」投資をする方法です。
投資金額を一定にするメリットは、購入するときの価格によって一度に買える量(口数)が変動する点です。
値上がりしたときには買う口数が少なくなり、値下がりしたときには相対的に多めの口数を買うことになるこの方法を“ドルコスト平均法”といい、平均購入価格を安くするという特徴があります。文章では伝わりにくいと思いますので、次の絵を使って説明します。

ここでは、毎月同じ量(1万口)を買う方法と、同じ金額(1万円)で買う方法の比較をしてみました。
折れ線グラフのすぐ下には、毎月1万口ずつ5ヵ月投資したケース、その下には毎月1万円ずつ5ヵ月投資したケースの購入口数、投資金額の推移を掲載しています。5ヵ月間の合計投資金額はどちらも同じ5万円です。

定量で購入した場合と定額で購入した場合の比較 グラフ

しかし、購入した合計口数が異なることから、毎月1万円ずつ投資した方が「平均購入単価が安くなっている」ことがわかります。
これは価格が安くなったときに、より多くの口数を購入したことの成果といえます。
平均購入単価が下がれば、その後の価格上昇時に利益を上げやすくなります。ここが “ドルコスト平均法” の最大のポイントです。

平均購入単価と利益 グラフ

from Saotome

“ドルコスト平均法” は平均購入単価を引き下げる効果があります。
価格が下がったときに多くの口数を買える点がポイントです。

コーヒーブレイク

「同じ量で投資」、
「同じ金額で投資」
ってどういうこと?

スタンドでガソリンを入れる際に、例えば、いつも20リットルと給油する量を決めている人は「同じ量で購入」していて支払う金額は毎回異なります。それに対して、いつも3,000円分と金額を決めて給油している人は、毎回「同じ金額で購入」していることになります。

投資にあてはめると、ある銘柄の株式を定期的に100株ずつ買う場合は「同じ量で投資」、5万円ずつなど金額を決めて特定の銘柄を買うのは「同じ金額で投資」することを指します。

日常生活の中で商品を購入する場合は一般的に個数で買うことが多いと思います。つまり「量で購入」しているケースがほとんどです。でも 「半額セール」 のときには皆さんも多めに買うことがありますよね?いつもと同じ金額で2個買えるのですから。それを投資の世界で実践したのが“ドルコスト平均法”というわけです。

ボタン

3 株価下落から回復するまで『つみたて投資』を続けていたら?

Saotome's Answer

2000年代前半のITバブル崩壊時に株価のピーク(下落しはじめた時)から、下落前の株価を回復するまでの間、『つみたて投資』をしていたら運用結果はどのようになっていたでしょうか?3つの投資対象(日本株、外国株、米国株)について調べてみました。

※【条件】毎月月末に3万円でつみたて投資
(手数料、税金等は考慮せず)

2000年代前半のITバブル崩壊後のピーク~下落前の株価を回復するまでの間 グラフ

次はサブプライム&リーマンショック時です。同じく3つの投資対象(日本株、外国株、米国株)で比較してみましょう。

サブプライム&リーマンショック時 グラフ

投資対象によって下落しはじめるタイミングも、回復までに要する期間も異なりました。できるだけ安いタイミングを選んで投資をする方法もありますが、いつが安いタイミングなのかを判断するのはかなり難しそうですね。

from Saotome

これらのケースでは+24%~+79%という運用実績でした。
大幅下落後、元の価格に戻った時には、下がっている間にコツコツと買い続けた部分の値上がりによって利益を得ることができました。

おわりに~五月女シニア・ストラテジストからのメッセージ

近年、NISAやiDeCoなど投資にかかわる様々な非課税制度が整えられつつあります。それらの制度の中心にある『つみたて投資』をきっかけにして、初めて投資をスタートした方もいらっしゃることと思います。
例えば、ゴールまでの期間があと30~40年ある場合、数十年先の株価やその過程における価格推移を予想することは誰にもできません。それまでの間に、大暴落がやってくることがあるかもしれません。

しかし、『つみたて投資』の特徴を知っていると暴落時の対応も変わってくるでしょう。価格が下がれば下がるほど相場の反転時に力強く回復する、まさに下落自体を味方につけることができるのはここまでに説明してきた通りです。いろいろな捉え方や価値観があると思いますが、私自身はこのような考え方もできるだろうと思っています。

ただし、必要以上のリスクをとらないようにすることも重要です。ゴールまでの期間を意識しながら、大きな損失を被ることがないような対策をうっておくことも大切な要素です。また、『つみたて投資』 を長く続けていくためには、無理のない範囲の金額で行なうことにも気をつけましょう。
目線を長くして時間を味方につけ、将来の自分自身へのタイムカプセルというような心構えで、投資信託の『つみたて投資』を活用してみてはいかがでしょうか。

さいごまでこのメッセージを読んでいただきありがとうございました。
私のメッセージの中で何か一つでも新たな気づきがあれば嬉しく思います。

『つみたて投資』をしている皆さまへ #02

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