福田コメント
2025年の投資判断を総括する
2025年の日経平均株価は、現時点で高値が52,411.34円(10月31日、終値ベース。以下同様)、安値が31,136.58円(4月7日)となっており、年間高安で2万円を超える値幅が出ています。また、TOPIXは高値が3,398.21(12月4日)と高値圏にあり、安値が2,288.66(4月7日)となっています。
虚心坦懐に見れば、株価の基調は非常に強かったし、今後も引き続き強いと私は見ています。そうした中、上述の株価の底値圏で弱気に転じてしまうなど短期的センチメントに"長期投資家"が振り回される事例も見られ、投資家によっては悲喜こもごもな1年でした。
事ここに至っては、世界中で信じられていた「米国の関税引き上げ→世界の景気悪化→株価下落」、という単純なコンセンサス予想が間違いだった、と結論付けるほかなさそうですが、なぜ間違えたのか、どこに間違いが潜んでいたのか、このような予想をした方々はどう総括するのでしょうか?
私自身、上記のコンセンサス予想に引きずられて一部のポジションを変更してしまいましたし、今になっても、なぜ「米国の関税引き上げ→世界の景気悪化→株価下落」とならなかったのか、実は理解できていません。日本株のファンド・マネージャーとしては比較的上手く対応できたように思いますが、景気に対する見方が適切だったり経済予測が的中したからではなく、「Mr. Marketが発している声に真摯に耳を傾けた」からにすぎません。
4月初旬の株価急落を見て、「今更弱気になってもtoo lateだ」とMr. Marketが言っているように感じた私は、ポートフォリオをディフェンシブ化するという、このWEBサイト内にもアップした文書(4月16日付 福田コメント 大荒れの株式市場にどう向き合うか)に記載した考えを覆し、5月には「ディフェンシブ化すると往復ビンタを食らう可能性が高いので、止めにする」とスタンスを変えました。
株価を予測するには、ある経済事象の変化を正しく予測できたというだけでは不十分です。変化に対して株式市場がどう反応するか、まで読み切らないと、株価の予測は当たりません。
投資家というものは、とかく自信過剰なもので、自分の予測が正しいとの思い込みが強すぎて時折適切ではない投資行動を取ってしまうことがあります。変化に対して株式市場がどう反応したかということは、すなわち「Mr. Marketが発している声に真摯に耳を傾ける」ということであり、予測能力が必ずしも十分ではない投資家が生き残るために身に着けておくべき"謙譲の美徳"なのだと私は思っています。