福田コメント

生成AI(人工知能)&DC(データセンター)の次の成長のテーマは宇宙関連?

この文章の読み手であれば、多くの方々は私が自身の担当ファンドで「古河電気工業(5801)」を高い組み入れ比率で投資した(している)ことをご存じではないかと思います※1。しかし、私が仕事用ラップトップPCの壁紙を同社株価の30年月足チャートにしていたことまでご存じだった方はそう多くはないでしょう。株価チャートは単なる値動きを記したグラフではなく、その会社の歴史を表すものだと私はとらえており、投資家としてある企業の投資判断をする際、株価チャートを見てその会社の30年程度の歴史を振り返ってみることにしています。30年である必然性はありませんが、私が仕事として株式投資(運用・調査)を始めたのが1995年であり、振り返ることが出来る期間が約30年であることに拠っています。そして、古河電気工業に投資するにあたり、歴史まで視野に入れて判断できたことが、最初のエントリーが2022年の株価がまだ2000円台、そして現値5万円台(2026年5月現在)という大相場を、ポートフォリオ全体の観点からの制約を除けば、大局的な正しい判断でまるまるとらまえることが出来た一つの大きな要因だと思っています※2

さて、現在、そのラップトップPCの壁紙には、「金融資本市場の力で、世界と共に挑戦し、豊かな社会を実現する」という野村グループの"パーパス"が掲げられており、ほとんどの野村グループ社員と同じ状態です。これはこれで立派なものなので、私もそのままにしてあります。一方で、私の個人スマホには、もう1年以上、ブラックホールの不気味な?写真がにらみを利かせています。ひとつは、M87銀河の超大質量ブラックホール、もう一つは、太陽系が属する天の川銀河の超大質量ブラックホール(いて座A*)で、後者は太陽質量の約400万倍、地球から2万6千光年の位置にありますが、前者は太陽質量の約65億倍と巨大であるがゆえに5500万光年のかなたにあっても、写真ではほとんど違いが分からないくらい大きく映っています。

前置きが長くなりましたが、私のPC・スマホの壁紙が古河電気工業からブラックホールへと変化したことから話を膨らませて、「生成AI(人工知能)&DC(データセンター)の次の成長のテーマは宇宙関連」だと思っています、と言いたかったわけです。宇宙については、昨年6月3日付け「今、宇宙がアツい」でもコメントしており、重複を避ける目的から今回は経済や株式投資の話題に絞って宇宙関連について考えてみたいと思います。

(下記は各種報道等により筆者が纏めた今後の宇宙に関する話題の一部。将来実現が保証されているものや、正確性等を確認したものではありません。)

2026年:
・4月 「アルテミス2」有人月周回
・6月 スペースX社IPO(新規株式公開)予定?
テスラとスペースX経営統合?(AI半導体工場"テラファブ"共同建設)

2027年:
・「アルテミス3」地球軌道で月着陸船と"オリオン宇宙船(ロッキード・マーチン開発製造)"とのドッキングテスト

2028年:
・「アルテミス4」有人月面着陸
・月面着陸船の選定競争
"スターシップ"(イーロン・マスク氏) vs. "ブルームーン"(ジェフ・ベゾス氏)
・日本人初の月面着陸?(アルテミス計画で日本人2人が有人月面着陸に含まれることは日米首脳会談で合意済み)

2030年代:
・アルテミス計画での成果を基盤に、有人火星探査へ
・月の経済基地化

2030年:
"エウロパ・クリッパー"が木星の衛星"エウロパ"へ到着(NASA)

2031年:
"ジュース"が 木星の衛星"ガニメデ"へ到着(ESA&JAXA)

→ 地球外生命体発見?

資源開発:
・月面の水を電気分解、水素をロケット燃料へ
・月の裏側に大量にあるとされるヘリウム3を核融合発電の燃料へ
・金、ダイヤモンドなどの希少資源
例えば、金の場合、未採掘で地球上に残っている埋蔵量(技術やコスト次第で変わる)は約5万~6万4千トンと推定されており、現在の採掘ペースが続けば約15~20年で枯渇すると言われています。

一方で、中性子星の合体によって金、プラチナ、レアアースなどの重元素が作り出された可能性が高く、一度の合体で地球70個分に相当する凄まじい量の金が作られるとの研究もあります。観測技術の発展により、重力波の研究、ガンマ線などの電磁波のスペクトル分析の登場により、中性子星の合体を観測する頻度が増えていくと期待されています。1ヵ月から2ヵ月に一度の割合で、中性子星合体によって生じる重力波を検出できる可能性があるとする見方もあります。

結局のところ、全ての希少資源は、採掘コスト、輸送コストなどを含めたうえで経済合理性があるかに依存しており、びっくりするくらいの大量の金が宇宙のどこかに存在することが分かったとしても大して経済的な意味はありませんが、ダイヤモンドでできた星もあるらしく、何とも夢のある話ではありますね。

現在保有する宇宙関連銘柄について

・自身が担当するファンドにおいて宇宙関連銘柄としては、昨年に投資を開始した2銘柄を主として保有しています。保有上位10銘柄にランクインしてくる可能性は現時点では低いですが、既に私としては打診買いの範疇は超えた形で保有をしております。(ご興味のある方は、月次レポートではなく運用報告書をご参照ください)※2

・宇宙関連銘柄の業績予想にも株価のバリュエーションにも、高い確信を持てる要素は、はっきり言ってありません。ただし、フロンティアは無限と言っても過言ではなく、まさに「参加していないと恩恵にあずかれない」タイプの投資案件であると考えています。

・私の投資は、某名作映画のタイトル風に、宇宙関連銘柄は2度買われるとの想定を置く(いわゆる"理想買い"と"現実買い")中で、1度目の理想買いは既に始まっており、来月6月とも言われるスペースXのIPOがとにかく要注目。手掛けている投資銀行は"失敗は絶対にあり得ない案件"として社内的に扱っているはずで、上場にかけて世界中で様々な思惑が渦巻くであろうと思われます。NVIDIAが好決算にもかかわらず今一つ値動きが悪いのはスペースX(とOpenAI)のIPOが重しとなっているのではないかと疑わしきところです。

・いずれにせよ、理想買い局面において投資家に必要なのはイマジネーションと臨機応変さであり、これらを投資の武器として当面は戦っていきたいと考えています。

コンピューティング能力の飛躍的な向上など、特に21世紀に入ってからの宇宙の観測技術の発展には目を見張るものがあり、今後も地球人類をあっと言わせるような、大きなブレイクスルーが期待されています。地球外生命体の発見など、経済や株式市場と直接的な関係はなかったとしても、投資家に未来について考えを巡らせる契機となるには十分であろうし、地球上の投資案件のタイム・ホライズンが長期化するなどの影響が出るかもしれません。宇宙空間の軍事利用や資源・エネルギー面での開発などは既に現実的な視野に入っているとも言えます。

米国では既存の関連企業に加えてIPOなど新興企業のパイプラインも比較的充実しているようですが、日本の現状は株式を公開している10社に満たない企業が気を吐いているくらいで、IPOのパイプラインに多くの企業、有望企業が列をなしているとは寡聞にして聞きません。米NASA(航空宇宙局)や民間企業が主導する、この分野での米国のリーダーシップ、競争優位は比べるまでもなく圧倒的ですが、なんとか先頭ランナーに食らいついていけるよう、イチ投資家、イチ日本人、イチ天文ファンの立場から、日本の関係者や関係企業などを微力ながら応援していきたいと思っています。

最後に

宇宙ついでの余談ですが、太陽の活動には約11年の周期があることが観測されており、これが様々な経路で景気変動に影響を及ぼしているのではないかと考えられています。太陽系に占める太陽の質量は99.86%と圧倒的であり、影響は甚大です。太陽活動は現在、2025~2026年にピークを迎え、その後は沈静化、黒点の数も減少すると予想されています。景気の循環的変動に影響を受けやすい株式市場関係者にとっては、やや気がかりな予測と言えるでしょう。

〇本投稿は、特定銘柄の売買などの推奨、また価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。

※1 月次レポートは下記よりご確認いただけます。
・ノムラ・ジャパン・オープン月次レポート
https://www.nomura-am.co.jp/fund/monthly.php?fundcd=140175
・情報エレクトロニクス月次レポート
https://www.nomura-am.co.jp/fund/monthly.php?fundcd=140012

※2 運用報告書(全体版)は下記よりご確認いただけます。
・ノムラ・ジャパン・オープン運用報告書(全体版)
https://www.nomura-am.co.jp/fund/annualreport.php?fundcd=140175
・情報エレクトロニクス運用報告書(全体版)
https://www.nomura-am.co.jp/fund/annualreport.php?fundcd=140012

〇投資信託の詳細(リスクや手数料等)については、以下に掲載の投資信託説明書(交付目論見書)の内容をご確認ください。
ノムラ・ジャパン・オープン
https://www.nomura-am.co.jp/fund/pros_gen/Y1140175.pdf
情報エレクトロニクスファンド
https://www.nomura-am.co.jp/fund/pros_gen/Y1140012.pdf

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