日本株運用にかける想い
- 私の銘柄発掘の第一の目的は、高い投資リターンを抑制的なリスクで獲得することです。
私は単に割安企業といっても、「変化しようと自ら動き出す、成熟した割安企業」に着目しています。そしてあくまでも想いとしては、この成熟企業への投資により今は低迷している日本企業の再浮上を後押しし、ましてやその企業の復活ストーリーに携わることができれば望外の喜びと考えています。 - 日本は、戦後復興からの高度経済成長、オイルショック、平成バブルの生成・崩壊を経て、大きく疲弊し、また同時に多くの日本企業も活力を失いました。現在に至るまでの期間を、「失われた30年」と、否定的に評価する声が多いことは事実です。ただ私は、この30年を、多くの外国人が日本を訪れ、等身大の日本に対する理解を深め、そのうえで高く評価されるようになった30年でもあり、否定的な側面ばかりではないと考えています。同じく、これまでは低迷し低い評価に甘んじている日本企業の中にも、自己変革によって復活へ向けての志を失っていない企業は多いはずです。私は日本経済の復活の息吹はこうした企業の中にこそ見出さなければ、本当の意味での復活とはいえない気持ちがあります。
- 250年足らずしか国としての歴史がない米国と異なり、現存する国で世界最古ともいわれる日本は、米国流ではやっていけません。若いベンチャー企業のゼロからのサクセス・ストーリーも大変結構ですが、それ以上に、成熟した企業が奮起して復活を遂げもうひと花咲かせる、そのような復活劇こそが今の日本企業、日本社会に求められているし、日本らしさに近い復活の在り方のように感じています。
- やや横道にそれましたが、私は、割安な成熟企業が成長企業に復活する変化を捉え、その企業、ひいては日本経済の復活に受益者の方々とともに貢献していきたい、と想っております。
(掲載日:2024年7月)
*福田の信念は、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。
日本株に注目するべき理由
好循環に転換しつつある
「日本株」の投資妙味とは

日本経済は
デフレから好循環へ
日本は、過去約四半世紀にわたり「デフレスパイラル」と呼ばれる物価や所得が伸びない状況に陥り、経済や株式市場は長期停滞を強いられていました。
しかし足元では、1990年代後半以降、伸び悩んでいたモノ・サービスの価格と賃金が、再び伸び始めました。物価上昇により、企業の価格転嫁は始まっており、売り上げの拡大が見込まれるなど、堅調な事業環境を見込んで設備投資の計画は拡大しています。
このような物価上昇を通じた「経済の好循環」により、日本の経済や株式市場は今後大きく変化する可能性を秘めていることに注目しています。

過去10年を見ると、
日本株のイメージは異なる?
みなさまは「日本株」に対して、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
日本株を長期の値動きで見た場合、米国株や先進国株より劣後していることから、日本株に懐疑的な見方がされる場合もあります。しかし過去10年の値動きを見た場合、景色は一変します。日本株は先進国株と同程度のパフォーマンスを実現しており、イメージとは異なるのではないでしょうか。

「実力」向上に伴う株価上昇の期待
日本企業は利益率が改善し、「実力(収益力)」が向上していると同時に、株主に利益を還元するようになっています。
また、株価の割安度を示すPER(株価収益率)で見ると、日本株は米国株などと比べて相対的に割安な水準にあり、投資妙味が高いといえます。
- 売上高経常利益率は法人企業統計における全産業の売上高と経常利益(4四半期平均)にて算出。
総還元額は配当総額と自社株買い額の合計、全上場企業が対象。
2024年度以降の総還元額は原則として2025年3月末時点の野村證券予想、東洋経済新報社予想にて補完。
日本株のPERは日本経済新聞社予想PER、米国株と先進国株のPERはブルームバーグ予想PERを使用。 - PER(株価収益率)とは、企業の収益力に対してどれだけの株価がついているかを示す指標です。
- (出所)野村證券、ブルームバーグなどのデータを基に野村アセットマネジメント作成
- 日本株:日経平均株価、米国株:S&P500株価指数、先進国株:MSCI ワールドインデックス
- 上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
(掲載日:2025年7月)
*福田の信念は、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。