使いながら運用する[6]
何から始める?使いながら運用するための実践法
「自分に合う金融機関」を賢く選ぶ
資産運用の第一歩は、証券会社や銀行など、どの金融機関で口座を開設するかを決めることです。主に「ネット型」と「対面型」の2つの選択肢があります。
ネット型
手数料が比較的安く、スマートフォンやパソコンで手軽に取引できるのが魅力です。自分で情報を収集し判断できる人にとっては、合理的な選択肢でしょう。
対面型
窓口で直接相談しながら進められる安心感があります。「何を買えばいいかわからない」「老後資金の取り崩し方も含めて相談したい」という方には、専門家のアドバイスが支えになるでしょう。
金融機関を選ぶ際に大切なのは、自身の投資経験を踏まえ、金融機関に何を期待するかを明確にすることです。
資産運用は、商品を購入して終わりではありません。リタイア後は、これまで築いてきた資産を長期にわたって取り崩しながら生活をしていくことになります。その間には、社会情勢や金融市場の変化に加えて、税金や暮らしに関わる仕組みが変わることもあるでしょう。大きな下落に直面した際や、ライフステージの変化に合わせて資産配分を見直したいとき、あるいは税金や相続まで含めて相談できるアドバイザーの存在は、精神的なゆとりにもつながります。
| ネット型 | 対面型 | |
|---|---|---|
| 手数料の傾向 | 比較的安い | 比較的高い |
| 資金計画・ 運用相談 |
自分で行うのが基本 (一部相談できる場合もあり) |
担当者に相談しながら進められる |
| 向いている人 | 投資経験がある方 自分で情報収集や判断ができる方 |
投資が初めての方 相談をしながら進めたい方 |
(作成)野村アセットマネジメント
無理なく続ける資産運用の始め方
口座を開設したら、次は実際に「何に」「いくら」投資をするのかを検討します。その際、多くの人が直面するのが、「まとまった資金を一度に投資するのは怖い」という不安です。
リタイア後の資産運用は、利益を追求することよりも、無理なく続けるためのリスク管理がより重要です。リスク管理にはさまざまな方法がありますが、特に意識したいのが、分散投資とリスク許容度の確認です。
分散投資
投資先を一つに集中させず、株式や債券など複数の資産、国内外の地域などに分けて運用する方法です。特定の資産が値下がりした場合でも、資産全体への影響を抑えやすくなります。また、購入するタイミングを分けて時間分散することでリスクを低減する効果を期待できます。
リスク許容度の確認
年齢や収入、保有資産、投資目的、運用期間などを踏まえ、どの程度の値下がりまで受け入れられるかを考えて、無理のない自分に合った資産運用を始めてみましょう。
NISA口座を上手に活用する
リタイアメント層にとってNISAは、老後資金を「増やす」だけでなく、「使いながら運用する」ために活用できる制度です。NISA口座では、運用によって得られた分配金や売却益が非課税になります。通常、利益には税金がかかりますが、NISAではその負担を抑えられるため、資産を取り崩す際の手取り額を確保しやすくなります。
なお、NISA口座は、1人につき一つの金融機関でしか開設できません。複数の銀行や証券会社で同時にNISA口座を持つことはできないため、口座を開設する前に、取扱商品、手数料、相談サービスなどを比較することが大切です。所定の手続きを行えばNISA口座の金融機関は変更できますが、事前に手続きの時期や方法を確認しましょう。
定期的な「資産点検」で軌道修正
資産運用を始めたら定期的な資産の点検が必要です。少なくとも年に一度は、資産と家計の状況を確認しましょう。この点検はなるべく習慣化しやすいように、毎年誕生日や年末年始など決まった時期に行うのがおすすめです。
確認したいのは、次の5項目です。
- 資産は予定通り残っているか(運用状況の確認)
- 生活費や収支に大きな変化はないか
- 取り崩し額は適切か
- 当初の資産配分が大きく崩れていないか
- 自分自身や家族の状況に変化はないか
この5項目を定期的に確認するだけでも、安心感につながります。また、急激な市場の変動や大きな支出があった際にも、その都度臨時の点検を行うようにしましょう。
人生はなかなか想定どおりには進みません。しかし、定期的に点検し、必要に応じて軌道修正を続ければ、さまざまな状況の変化にも対応しやすくなります。自分自身では判断がつかない場合は、金融機関の担当者などに早めに相談するのもよいでしょう。
老後資金の運用は早く始めるほど、時間の恩恵を受けやすくなります。まずはできるところから一歩を踏み出してみましょう。今日の小さな行動が、将来の大きな安心へとつながります。
(2026年9月作成)
本ページの記載事項・見解は、全て本ページ作成時点で当社が知り得る情報に基づくものです。将来、制定される制度の内容が変更になる、または一旦制定された制度が変更・廃止になる可能性等があります。
このテーマの
他の記事を見る
-

使いながら運用する[1]
リタイア後のお金、どう使う?現役時代に知っておきたい資金計画
[1]リタイア後のお金、どう使う?現役時代に知っておきたい資金計画
-

使いながら運用する[2]
資産取り崩しルール:定額と定率、どちらが正解?
[2]資産取り崩しルール:定額と定率、どちらが正解?
-

使いながら運用する[3]
取り崩しが不安な人へ:老後資金の資産設計
[3]取り崩しが不安な人へ:老後資金の資産設計
-

使いながら運用する[4]
老後も投資は続ける?取り崩し期における運用の考え方
[4]老後も投資は続ける?取り崩し期における運用の考え方
-

使いながら運用する[5]
投資信託はどう選ぶ?リタイア後の運用で押さえたいポイント
[5]投資信託はどう選ぶ?リタイア後の運用で押さえたいポイント