【投資詐欺から家族を守る!】投資詐欺に気をつけるポイント

投資詐欺から家族を守る!投資詐欺に気をつけるポイント

近年、資産運用が広まる一方で、投資詐欺※1に関する被害総額も増加傾向にあります。

投資詐欺※1による、実質的な被害総額

投資詐欺による、実質的な被害総額の図

※1金融商品詐欺を指す。金融商品詐欺とは、架空又は価値の乏しい未公開株、社債等の有価証券、外国通貨、高価な物品等に関する虚偽の情報を提供し、購入すれば利益が得られるものと誤信させ、その購入名目等で金銭等をだまし取る(脅し取る)ものをいう。

※22023年は、1~9月までの合計額。

(出所)警察庁「令和5年9月の特殊詐欺認知・検挙状況等について」()を基に野村アセットマネジメント作成

普段、資産運用や投資に馴染みがない方は、つい詐欺に騙されてしまうことも想定されます。自分だけでなく、家族も詐欺から守るため、年末年始やお盆などの家族が集まる機会に、お金について話しておきましょう

①金融リテラシーを身に着ける

金融商品の適正なリターン水準などの目安を理解することで、詐欺の内容に違和感を持つことができるようになりそうです。
たとえば、このようなケースがあったとします。

「この金融商品に100万円投資すれば、1年後に必ず2倍のお金がお客様へ戻ってくる商品です。」

つまり、この金融商品は元本に対して年率100%のリターンまたは配当金等を必ず見込めるということになります。
では、実際の相場と比較していきましょう。以下は、過去20年間における代表的な投資対象のリスクとリターンを示したグラフです。高いリターンが見込めるとされている世界株式および米国株式は、いずれも平均して年率8~9%前後のリターンとなっています。また、リターンと比例してリスク(リターンの振れ幅)も高くなっていることが見て取れます。

代表的な投資対象のリスクとリターン(円換算ベース、年率)

代表的な投資対象のリスクとリターン(円換算ベース、年率)の図

図表の数字は、四捨五入している場合があります。上記は過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。

期間:2003年11月末~2023年10月末

国内株式:TOPIX、世界株式:MSCI ACWI(配当込み、円換算ベース*)、米国株式:S&P500(配当込み、円換算ベース*)、新興国株式:MSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み、円換算ベース*)、国内債券:NOMURA-BPI総合、世界債券:ブルームバーグ・グローバル総合インデックス(円換算ベース*)、国内リート:東証REIT指数、世界リート:S&P先進国REIT指数(配当込み、円換算ベース*)

*野村アセットマネジメントが独自に円換算したものです。

(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成

投資は、長期でじっくりと利益を目指すことでリスクを低減する効果が見込めます。1年、2年といった短期ではなく、10年、20年といった長い目線で資産を形成していくことが大切です。中には株価が10倍以上に上昇した、または上昇が見込まれる「テンバガー(10倍株)」と呼ばれる銘柄もあります。たとえば、世界の時価総額ランキング1位であるアップルもその1つです。同社の株価は2023年10月末時点で170.29米ドル※3ですが、2013年9月末時点では17.027米ドル※3とほぼ10分の1の株価でした。世界最高レベルの成長を遂げるアップルをもってしても、約10年かけて、テンバガーとなったことがわかります。

※3(出所)ブルームバーグ

また、別のケースで考えてみましょう。

「100万円出資していただければ、毎年30万円の配当金をお客様にお渡しします。」

では、平均的な配当金はいくらなのでしょうか。
まず、日本最大級の金融商品市場である東京証券取引所から見ていきます。東京証券取引所には計4つの株式市場がありますが、中でも流通株式時価総額が100億円以上など、厳しい条件を満たすプライム市場に上場している企業の約1,660社※4100万円を1年間投資した場合の配当金は平均約2.3万円※5です。また、ベンチャー企業など、高い成長性を有する企業としてグロース市場へ上場する約550社※4へ100万円を1年間投資して受け取れる配当金の平均は約3千円※5となっています。

※42023年10月末時点。(出所)日本取引所グループ「統計月報 1株式総括表(2023年10月末)」

※5(出所)日本取引所グループ「統計月報 5株式利回り(2023年10月末)」の加重平均利回りを基に野村アセットマネジメントにて算出。

もちろん、世の中には様々な金融商品があり、平均から外れている商品が全て詐欺というわけではありません。しかし、短期で高いリターンがあるということはそれにあったリスクを取っている可能性があること、一般的なリターンの水準を理解しておくことで、投資詐欺に巻き込まれるリスクを回避しやすくなりそうです。

②「絶対儲かる」等の表現に気をつける

金融商品取引に関する法律の基礎を知っておくことも、投資詐欺被害を防ぐために有効です。
金融商品取引法の第38条で、「顧客に対し、不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤解させるおそれのあることを告げて金融商品取引契約の締結の勧誘をする行為※6」は禁じられています。

※6(出所)金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)

以下は、過去の代表的な投資対象の1年ごとのリターンを示したグラフです。いずれも上下に値動きをしており、毎年安定して30%のリターンを見込めるとは言い切れません。株式や投資信託(ファンド)のような元本保証がされていない商品の勧誘をする際に、リスクについて説明をすることなく「絶対儲かる」「元本保証」「高利回り確約」といった表現を使う業者は怪しいと考えておきましょう。

代表的な投資対象の過去のリターンの推移(円換算ベース、年次)

代表的な投資対象の過去のリターンの推移(円換算ベース、年次)の図

税金・手数料などは考慮しておりません。グラフは過去のデータであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。

期間:2003年12月末~2022年12月末、年次。国内リートのみ、2004年12月末~2022年12月末。

国内株式:TOPIX、世界株式:MSCI ACWI(配当込み、円換算ベース*)、米国株式:S&P500(配当込み、円換算ベース*)、新興国株式:MSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み、円換算ベース*)、国内債券:NOMURA-BPI総合、世界債券:ブルームバーグ・グローバル総合インデックス(円換算ベース*)、国内リート:東証REIT指数、世界リート:S&P先進国REIT指数(配当込み、円換算ベース*)

*野村アセットマネジメントが独自に円換算したものです。

(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成

③登録業者かどうか確認する

金融商品取引法29条では、「金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。※6」と定められています。
日本の居住者を相手に金融商品の売買を行なう場合は、「金融商品取引業」の登録が必要です。登録の有無は金融庁のHP「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」で確認することができます。登録なく金融商品取引を行なえば、業者の所在地が海外である場合や、これから登録をする予定であっても違法です。あえて登録業者と似ている社名で活動していたり、金融庁等の公的機関になりすましをしたりすることもあるため注意しましょう。また、投資詐欺の代表的な手口の1つである未公開株購入の販売、勧誘等を行なうことができる業者も、未公開株を発行する企業か登録を受けた証券会社に限られています※7 そのため、支払いを現金での受け渡しで要求されたり、振込先が個人名義などであったりした場合には注意が必要です。更に、登録業者であっても、②でご説明した断定表現を使った勧誘のほか、顧客の知識や目的に見合わないようなリスクの高い商品を販売する行為は禁じられています。

※7(出所)金融庁「未公開株購入の勧誘にご注意!~一般投資家への注意喚起~」(

④家族でお金について話す

「うまい話には裏がある」「旨いことは二度考えよ」など、昔から詐欺に関する戒めの言葉がありますが、お金に不安や焦りを感じていると、つい詐欺の手に騙されてしまうかもしれません。近年はSNSをきっかけとした詐欺の手口も登場し、年配の方だけでなく若い方も狙われています。家族みんなでこれから必要なお金やその準備方法について話し合い、不安を解消していきましょう。また、普段からお金について話しやすい環境づくりを行なうことで、投資詐欺などの危険に晒された際にも「一人で抱え込まずに家族に相談する」という選択を取ることができ、トラブルを未然に防げるかもしれません。

上述の通り、資産運用にリスクはつきものです。しかし、リスクと上手に付き合えば、資産運用は決して怖いものではありません。近年はNISA(ニーサ)のような国が資産運用を後押しする制度もあり、初心者の方もチャレンジしやすくなってきています。家族の明るい未来に向けて踏み出してみてはいかがでしょうか。