学童期(小学生)

徹底分析!子育てのお金
~子供の世代別 意外にかかること、案外かからないこと~

このコラムでは、学童期(小学生)に必要なお金や活用できる助成制度などについて説明します。想定以上にお金が必要なことや、案外かからないことに気づくかもしれません。
小学生からは義務教育が始まります。学習にかかる費用などについてもご紹介していきます。

小学校6年間でかかる学習費総額は?

小学校6年間でかかる学習費総額は公立で約211万円、私立で約1,000万円と公立と私立では大きく金額が異なります。
公立小学校の学習費総額約35万円/年の内訳は以下の通りです。

公立小学校学習費総額の内訳(年額)

学校教育費 65,974円
学校給食費 39,010円
学校外活動費 247,582円

令和3年度の年額

(出所)文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果について」()を基に野村アセットマネジメント作成

学校外の活動でかかる費用は?

公立小学校に通う児童の学習費総額の約7割は学校外の活動でかかっている費用のようです。全学年の平均では学習塾や通信教育などの補助学習費が約12.0万円、スポーツ・芸術などにかける費用が約12.7万円とほぼ同程度の数字ですが、学年別に見ると小学校低学年の時はスポーツ・芸術などにかける費用の割合が高く、高学年になるにつれて学習塾や通信教育などにあてる割合が増加する傾向にあります。
また、公立小学校に通う児童の約6割が学習塾への支出が0円となっており、学習塾への支出がある方においては年間で平均21万円程度かかっているようです。月間にすると17,500円程度学習塾費の支出があるということになります。学習塾に通うことを決めた場合には、月々の出費はほかの習い事に比べると少し高い傾向があるかもしれません。

(出所)文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果について」(

放課後児童クラブの待機児童問題とは?

放課後児童クラブとは、共働き家庭などの小学生の児童に対して、小学校の空いている教室や児童館などで、授業の終了後に適切な遊びや生活の場を提供し、児童の健全な育成を図る国の保育事業です。
2022年の厚生労働省の調査によると、放課後児童クラブに登録している児童は約139万人で過去最高を更新しました。その中で利用できなかった児童数(待機児童数)は15,180人で、そのうち東京都、埼玉県、千葉県で4割以上を占めている状況です。待機児童問題の状況はお住まいの地域によって異なるようですので、お子さんの就学前にご自身の地域の状況を確認しておくとよいかもしれません。

保護者が働いていて日中に子供の保育ができない家庭において、保育園の場合、勤務時間帯は預かってもらえる施設が多いと思います。しかし、小学生になると下校時間が早くなってしまうため、放課後児童クラブを活用する家庭は増えているようです。その中で放課後児童クラブを利用できない家庭もあり、民間企業運営の児童クラブや習い事などに通うことを選択せざるを得ないこともあるようです。このような場合には、費用が別途かかる可能性もあります。

(出所)厚生労働省「令和4年(2022年)放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況(令和4年(2022年)5月1日現在)」(

お小遣いの相場は?

小学生の毎月のお小遣いの平均額は430円程度のようです。学年別でみると小学1年生の平均は約175円に対し、小学6年生の平均は720円と学年が上がるにつれてお小遣いも増える傾向にあります。ただ、毎月お小遣いをもらっている子供の割合は約4割弱で、お小遣い制をとっていない家庭の方が多いようです。コラム「教育資金・投資教育ってどうしてる?(未就学児・小学生/後編)」では、未就学児・小学生の子供を持つ野村アセットマネジメント社員にお金についての考え方や、お小遣いの渡し方についてインタビューしています。また、動画シリーズ「【小学生にもわかる!】資産運用のレッスン」では、お金とは何か、お金の使い方などを気軽に学べるので、親子で一緒に見ながら、お金の話をしてみてはいかがでしょうか。

(出所)学研教育総合研究所(Gakken)「小学生白書(2022年)」

児童手当とは?

児童手当とは、子育て支援のために、児童を養育している保護者に対して支払われる手当です。お住まいの市区町村にて申請を行なうと支給されます。原則として、0歳(申請した月の翌月)から中学校卒業(15歳の誕生日後の最初の3月31日)までの児童が対象となります。

支給額※1

児童の年齢 児童手当の額(一人あたり月額)
3歳未満 一律15,000円
3歳以上
小学校修了前
10,000円
(第3子以降は15,000円)
中学生 一律10,000円

※1所得制限限度額、所得上限限度額が定められており、それぞれの限度額を超えた場合に、支給額が減額となる場合や、支給されない場合があります。

(出所)内閣府「児童手当制度のご案内」()を基に野村アセットマネジメント作成

コラム「児童手当を将来の教育資金として活用できる?」では、今回ご紹介した児童手当をつみたて投資した場合のシミュレーションをご覧いただけます。

【インタビュー】学童期(小学生)に意外にかかったこと・案外かからなかったこと

実際に子育てをしている野村アセットマネジメントの社員に学童期(小学生)に意外にかかったこと・案外かからなかったことをインタビューしました。

意外にかかったこと

塾などの習い事に通わせることになると一気に負担が大きく感じます。兄弟が増えると、それぞれでかかるので負担が大きいです。
学童の待機児童問題。低学年は比較的入りやすいと言われているけど、それでも入れませんでした。平日は働いているので、民間の学童に通わせたり、習い事を夕方に入れることで、放課後の時間を過ごしています。そんな理由もあり、小学生になってから習い事が増えて、負担が大きくなった気がします。
今の小学生は矯正をしている子が増えているようで、私の子供も歯列矯正を始めることになってしまいました。保険適用外なので、負担が大きいです…
スポーツ少年団のようなところだと、費用を比較的抑えられるけど、クラブチームのようなところに通うことになるとすごく負担が大きくなりました。2人目の時に本人の希望でクラブチームに通ったら、1人目と比べて小学校の6年分だけでもかかった金額がだいぶ違いました…

案外かからなかったこと

洋服やおもちゃ・本など、近所の方からお下がりをいただけることが多く、お互い物々交換などをして、あまりお金を使わなくてすみました。
習い事によっては、地域の同年代の親御さんがボランティアでやっている習い事とかもあります。口コミで教えてもらうことが多いのですが、そういうところだとお絵描き教室やピアノ教室など比較的費用を抑えることができました。
習い事はオンラインレッスンなども利用できるようになり、費用を抑えることができるようになった気がします。オンライン上で学びたい人と教えたい人をつなぐようなサービスもあって、従来のような月謝制をとらない習い事もあり、自分が子供の頃とは違って、費用を抑えつつ選択肢も広がっていると感じます。

学童期(小学生)はまず公立か私立かによって大きな費用の差があります。また、習い事をするかどうかによっても費用の負担は大きく変わりそうです。子供の進路によってこれから必要となる費用も大きく変わることが想定されます。まだどんな夢を持つかわからない子供に対して、漠然とした希望と不安を併せ持っている人も多いのではないでしょうか。将来必要になるかもしれない資金を早くから準備することによって、効率よくお金を育てることができるかもしれません。