ボーナスを「守る」「増やす」「使う」で考える
~なんとなく貯蓄で終わらせない活かし方~

ボーナスは、まとまったお金が入る貴重な機会です。旅行や買い物などに使う楽しみがあるだけでなく、将来に向けた貯蓄や資産形成を考えるきっかけにもなります。一方で、ボーナスを受け取るたびに「なんとなく預金して終わってしまう」「気づけば使い切ってしまう」と感じる方も少なくないのではないでしょうか。
ボーナスを計画的に活かす方法として、「守る」「増やす」「使う」の3つの視点で考え、使い道をあらかじめ整理しておくことで、今使うお金と将来に備えるお金を意識しやすくなります。

どの世代も、ボーナスの使い道1位は「貯蓄」

まずは、年代別のボーナスの使い道を見てみましょう。消費者庁の令和元年の調査によると、どの世代でもボーナスの使い道の1位は「貯蓄」となっています。20代では、貯蓄に加えて国内旅行、理美容関連、ファッション、趣味・娯楽サービスなど、自分のための支出に使う傾向が見られます。一方、30代以降になると、ローンの返済、生活家電、教育関連など、暮らしに密着した使い道が増える傾向があります。また、どの世代でも「特に決めていない」という回答が一定数あることから、ボーナスの使い道をあらかじめ決めずにいる人も少なくないと考えられます。

年代別 ボーナスの使い道ランキング

【20代】(回答者=31人)

1位 貯蓄 35.5%
2位 特に決めていない 19.4%
2位 国内旅行 19.4%
2位 理美容関連
(化粧品、ヘアカラー、エステ等)
19.4%
5位 衣料・履物・ファッション雑貨 16.1%
5位 趣味、娯楽サービス
(映画鑑賞、観劇、スポーツ観戦等)
16.1%

【30代】(回答者=229人)

1位 貯蓄 42.4%
2位 ローンの返済 14.0%
3位 国内旅行 12.7%
4位 特に決めていない 12.2%
5位 生活家電
(洗濯機、冷蔵庫、エアコン等)
11.4%

【40代】(回答者=587人)

1位 貯蓄 37.6%
2位 特に決めていない 15.0%
3位 ローンの返済 13.3%
3位 国内旅行 13.3%
5位 教育・教育関連
(資格取得、自己啓発等)
10.7%

【50代】(回答者=599人)

1位 貯蓄 31.4%
2位 ローンの返済 15.4%
3位 特に決めていない 14.4%
4位 国内旅行 12.7%
5位 外食 11.2%

【60代】(回答者=330人)

1位 貯蓄 11.5%
2位 特に決めていない 8.5%
3位 国内旅行 7.6%
4位 外食 7.3%
5位 ローンの返済 4.8%

「ボーナスはなし」という回答を除く上位5位までを掲載。複数回答可。

(出所)消費者庁「[参考・6月(確報)]ゴールデンウィークの過ごし方及びボーナスの使途予定に関する意識調査結果 令和元年7月18日(木)」()を基に野村アセットマネジメント作成

ボーナスは、まず「3つの役割」で考える

ボーナスの使い道に迷ったときは、まず「守る」「増やす」「使う」の3つの役割に分けて考えてみましょう。「守るお金」は、急な出費や将来の不安に備えるためのお金です。預貯金などで確保しておくことで、家計の安心につながります。「増やすお金」は、NISAや投資信託などを活用し、将来に向けて育てていくお金です。無理のない範囲で始め、長く続けることがポイントになります。「使うお金」は、旅行や趣味、学びなど、今の生活を豊かにするためのお金です。満足度の高い支出は、日々の充実や気持ちのゆとりにもつながります。
たとえば、ボーナスの手取りが60万円だった場合、「守る」20万円、「増やす」20万円、「使う」20万円というように、3つに分けて考える方法があります。もちろん、3等分が正解というわけではありません。大切なのは、「とりあえず預金しておく」「なんとなく使ってしまう」といった状態から一歩進んで、お金に役割を持たせることです。
預貯金が十分でない方は「守る」を多めに、教育費や住宅ローンなど今後の支出が見えている方は「守る」と「使う」を優先し、将来に向けて資産形成を進めたい方は「増やす」に回す資金を多めにする、という考え方もあります。実際には、ボーナスの配分は、年齢や家族構成、預貯金の額、子育てや教育にかかる費用、住宅ローン返済などによって変わります。まずはご自身に合った配分を考え、家計の状況にあわせて少しずつ見直していくことが、自分に合ったボーナスの活かし方につながるのではないでしょうか。

ボーナスで資産形成を始めるなら、投資信託という選択肢も

「資産運用を始めたい」と思っても、個別株式への投資は難しそうだと感じる方もいらっしゃるかもしれません。企業の業績や株価の動きを調べる必要があり、投資初心者にとってはハードルが高いと感じられることもあります。そこで、資産運用の入り口として活用しやすいのが投資信託です。

複数の投資家から資金を集めて、運用の専門家が債券や株式などに投資・運用する金融商品です。投資信託は1万円程度の資金からプロに管理を任せつつ、複数の資産に分散投資をすることが可能です。

【ボーナスを投資信託で運用する2つのプラン】

プラン① ボーナスが支給されるたびに、一定額を積立投資に回す方法

プラン② ボーナスの一部を積立口座に移し、毎月自動で投資する方法

積立投資とは、一度にまとまったお金を投資するのではなく、一定の金額を定期的にコツコツ積み立てる投資方法です。常に値動きをしている投資信託は、いつ買いどきなのか見極めるのが困難ですが、積立投資であれば毎月1回など、価格が変動する商品に一定金額の投資を続けることで、価格が高いときには数量を少なく、価格が安いときには数量を多く購入することが可能です。

過去データを用いたシミュレーションで、ボーナスを活用した投資方法の特徴を確認してみます。ここでは、25歳の方が60歳になるまでの約35年間、継続して各プランを実践したと仮定します。

◯シミュレーション条件

ボーナスの年間支給額:年2回(6月・12月)、各40万円(年間80万円)※1

運用期間:25歳から60歳までの約35年間

運用額:ボーナス支給額80万円のうち、約1/3の24万円を投資

投資対象:外国株式ファンド※2

※1厚生労働省「賃金構造基本統計調査/令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業分類」()より、25~29歳の年間賞与その他特別給与額807.6千円を参考とし、40万円と仮定。

※2外国株式ファンド:MSCI-KOKUSAI指数(配当込み・円ベース・為替ヘッジなし)

プラン① ボーナスが支給されるたびに、一定額を積立投資に回す方法

銀行や証券会社などの金融機関で、年2回のボーナス支給月の月末に12万円分の投資信託を購入する方法です。ボーナスが入ったタイミングで「増やすお金」を先に確保するため、使い過ぎを防ぎやすいメリットがあります。

プラン①のシミュレーション結果

プラン①のシミュレーション結果の図

シミュレーションであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。算出過程で取引コスト等は考慮しておりません。市場指数そのものに投資することはできません。ファンドの運用実績ではありません。

(期間)1991年6月末~2026年3月末

(投資開始)1991年6月末より12万円ずつ投資

(累積投資総額)840万円(年間24万円×35年)

(使用した指数)「外国株式ファンド」 MSCI-KOKUSAI指数 (配当込み・円ベース・為替ヘッジなし)

(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成

プラン② ボーナスの一部を積立口座に移し、毎月自動で投資する方法

例えば、6月と12月にそれぞれ12万円を銀行や証券会社などの積立投資用の口座に移して、毎月2万円分の投資信託を自動で購入する方法です。その後は自動で積立が進むため、手間をかけずに続けやすいのがメリットです。

プラン②のシミュレーション結果

プラン②のシミュレーション結果の図

シミュレーションであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。算出過程で取引コスト等は考慮しておりません。市場指数そのものに投資することはできません。ファンドの運用実績ではありません。

(期間)1991年6月末~2026年3月末

(投資開始)1991年6月末より2万円ずつ投資

(累積投資総額)836万円(1991年6月末から2026年3月末の投資回数は418回のため、累積投資総額は836万円です)

(使用した指数)「外国株式ファンド」 MSCI-KOKUSAI指数 (配当込み・円ベース・為替ヘッジなし)

(出所)ブルームバーグのデータを基に野村アセットマネジメント作成

過去データを使ったシミュレーションでは、プラン①の最終積立評価額は約8,608万円、プラン②は約8,480万円となり、いずれも累積投資総額を上回る結果となりました。ボーナスを「とりあえず預貯金に置いている」という方は、将来に向けた備えのひとつとして、資産運用を検討してみるのもよいかもしれません。
プラン①のメリットは、ボーナスが支給されるたびに一部を投資に回すため、ボーナスの使い過ぎを防ぎやすい点です。一方、プラン②のメリットは、購入の手間を省くことができる点です。銀行や証券会社で投資信託を選び、任意の金額で積立投資を申し込めば、その後は自動で購入を続けることができます。
いずれのプランもボーナスを活用するため、毎月の生活費への影響を抑えながら、資産形成を進めやすい方法といえるでしょう。なお、今回のシミュレーションでは、プラン①とプラン②で投資総額が異なるため単純比較はできませんが、プラン①の方が高い評価額となりました。ただし、実際の運用成果は市場環境によって変わるため、必ずしも一方の方法が常に有利になるとは限りません。ご自身のライフスタイルや性格に合わせて、続けやすい方法を選ぶことが大切です。

ボーナスが減ったとき、投資はどう考える?

ボーナスは毎年同じ水準で支給されるとは限りません。一般的に、景気が良いと増えやすく、景気が悪いと減りやすい傾向があります。たとえば、コロナショックが起きた2020年には前年比-2.04%、リーマン・ショックの影響が続いていた2009年には前年比-15.6%と、ボーナスが大きく減少しました。※3当初の予定が崩れたり、市場が下落したりすると、つい投資をやめたくなることもあるかもしれません。しかし、ボーナスが減少したからといって、資産運用をすぐにやめてしまうことはおすすめできません。今回ご紹介したプランはいずれも、価格が高いときには少なく、安いときには多く購入する「積立投資」の考え方を活用しています。そのため、市場が下落したときに購入をやめてしまうと、価格が低い局面で買う機会を逃してしまう可能性があります。もちろん、ボーナスが減り、これまでと同じ金額を投資に回すのが難しいこともあるでしょう。その場合は、積立額を減らしたり、一時的に積立を止めて保有資産の運用を続けたりするなど、無理のない形に見直す方法もあります。

※3(出所)厚生労働省「令和5年 民間主要企業夏季一時金妥結状況」(

NISAを活用する選択肢

ボーナスを活用して資産形成を進める際には、「NISA」の利用も選択肢のひとつです。NISAは、投資した商品が値上がりした場合の利益(譲渡益)や分配金等が非課税となる制度で、税制メリットを生かしながら資産形成に取り組むことができます。

ボーナスを一時的な収入として終わらせず、「守る」「増やす」「使う」の視点から、ご自身に合ったボーナスの活かし方を考えてみてはいかがでしょうか。