教育資金・投資教育ってどうしてる?(中・高・大学生/後編)

教育資金についてご覧になりたい方は、前編をご覧ください。

教育資金・投資教育ってどうしてる?
(中・高・大学生/前編)

Q2.お子様への投資教育はどのようにしていますか?

Fさん(高校1年生の女の子パパ)は、
家族の身近な会話の中で、金利や為替など投資に関する話題をあげて投資教育中!

Fさん:娘が中学1年生の時に、親の職業について調べるという自由課題があって、「パパの仕事って何?」って聞かれたんで、その時に初めて株とか債券とかについて話をしました。直接金融と間接金融の話について図を書いて説明しましたね。わかったら今度は自分で書いてみようって。一応理解はしていて、授業で説明したらしいんですが、投資信託について説明しても、「みんなポカーンとしてた」と言っていましたね。

自分が子供の頃も授業で直接金融と間接金融について学びましたが、どういうことなのか全然わからなかった気がします。資産運用した方がいいよ、という話はしますか?

Fさん:子供のために積み立てていた定期貯金が満期になった時に、「金利が0.01%って超低金利だね」という話をしていたら、一生懸命聞いてましたね。
テレビを見ていても、「円安が続いているな」など為替の話も出てきたりしていて。教えるという感覚はないものの、家族との会話の中で自然と投資に関する話題が出ている気がします。

Iさん(中学1年生男の子、小学5年生・3年生の女の子パパ)は、
お小遣いと運用額が連動するようなルールで、仮想での資産運用をしながら投資教育中!

Iさん:うちは2022年に入って始めたのですが、子供たちは基本的にお小遣いと運用額が連動するようなルールで資産運用をしています。当社のルールだと実際の運用はできないので仮想での運用ですが。例えば50万円の運用額と設定したとして、月末の運用評価額の1%がお小遣い、(評価額が)50万だったらお小遣いが5,000円、もし60万に増えていれば6,000円というイメージです。始めたきっかけはスマホです。今の時代、子供たちもスマホを持ってるんですよね。ただ、最初はやっぱりゲームばかりしていたので、これはまずいなと思ったんです。若い時からいろいろ企業について調べるのはいいことなので、せっかくのスマホを有効活用してもらうために、お小遣いと連動制にしたら結構調べるようになって。やっぱり小さい時から企業を見る目を養って、どういう企業の株価が上がっているかというのを実際見ていくことは大事だと思うんです。有名な企業=良い企業とは限らないので、そういう価値観を持ってもらいたいなということで始めました。

お子さんたちはどのように投資先を選んでるんですか?

Iさん:2022年はアメリカの株が下落していたので、その安いところで投資して利益を出してましたね。「なんでアメリカなの?」と聞いたら、「今アメリカの金利上がってるでしょ?そうすると円安になると思うから、日本企業よりアメリカの株がいいと思って」と言っていましたね。

全員:中1で!すごい。(笑)

Iさん:銘柄数も子供によって考えがバラバラで、長男はこの銘柄がいいと思うと一点張りだったり、真ん中の子は複数銘柄を選んでハイテク株とバリュー株でバランスをとっていたり。

Eさん:外国の企業も調べるんですか?

Iさん:株価情報などを調べられるアプリを使うと、アメリカの企業などの業績も全部グラフ化されているんです。株価や業績動向などがすぐわかりますので、それを見て調べていますね。あとは、投資とは、お金儲けのためだけにすることではないということは誤解しないよう伝えています。なぜみんながこの製品を使っているのか、なぜみんなが便利な世の中になっているのか、ということを一緒に考えるようにしています。投資というのはお金を増やすため方法であると同時に、その投資先を応援すること。自分が応援することで、世の中が良くなっていくんじゃないかと感じる、そういう企業に投資していくといいよと伝えています。月末はみんなそわそわしながら株価をチェックして、楽しみながらやっていますね。

お子さんたちは始める時に抵抗はなかったですか?

Iさん:なかったですね。(お小遣いが)一律でよければ投資をせずに持っていればいいので。特に一番下の子は最初ずっと現金のままでしたが、やっぱりお兄ちゃんが投資して増えているのを見たりして、ちょっとずつ買うようになりましたね。あとは今の子供たちはスマホを使いこなす力がほんとにすごい。情報収集のスピードに驚きます。私にとっても子供たちと話していると、参考になることは多いですね。家族の中で楽しく学んでもらうということを心がけていますね。

小さい頃から資産運用について自然と考える習慣があれば、大人になった時の資産運用に対する意識は大きく変わっていきそうですね。

Eさん(中学1年生女の子、5歳児男の子パパ)は、
日々の生活の中で経済活動を実体験として取り入れるように工夫して投資教育中!

Eさんは海外赴任でお子さんと海外生活されていましたが、日本と海外の投資教育の違いを感じたことはありますか?

Eさん:子供がまだ小学生くらいだったので、授業などから垣間見ることは特にありませんでした。でもちょっと違うなと感じたところは、シンガポールの人達はお金の話がタブーという感じがないので、「私はこういう投資をしている」とか「友達の会社に投資している」とか、当たり前に話題に出てきている感じがします。日本はあまりオープンにする感じではないですもんね。そういう環境が当たり前の人達ですから、家でも当然そういう話をしているはずなので、子供たちも自然と投資のことに触れる機会が多いのかなと思いました。
家での投資教育については、資産運用ってやっぱり子供にとってはまだハードルが高いとも思うので、できるだけ日々の中で経済活動とか考え方を取り入れるように工夫しています。例えば、子供が「シャーペンが欲しい」と言ったら、「じゃあインターネットで調べてみて、どこのサイトが一番安いか探してみて」とか、「同じペンでも高いペンと安いペンがあるのはなんで?」とか質問しながら、「実はお店で買った方が安い場合もあるんだよ」と言って一緒にお店に行っています。そういう実体験を交えることによって値段がどう決まっているかなどを意識して伝えるようにしています。

Eさん:私は、投資成果をお小遣いに結びつけることはまだできていないですが、勉強の成果を結びつけてしまうことはあります。例えば、定期試験の総合点で平均を超えたら、お小遣いが20%増えて、平均点以下だったら20%を減らす、英語と数学は重要なので、平均点を超えたらポイントを加算する、というようなゲームをやるかやらないかを選んでもらうんです。これはたぶん家族みんながハッピーになるゲームなんで。(笑)間接的になるものの、リスク許容度などが何となく勉強できるのかなと感じています。

Gさん(高校3年生男の子ママ)は、
18歳はもう成年。お金の管理に責任を持ってもらうために、資産運用の必要性を伝えようと計画中!

Gさん:皆さん、資産運用会社の家族ならでは会話ですね。
うちは投資教育って全然できていないかも。今はなかなか興味を示さないから、話題が出ても別の話題にすり替わってしまいますね。(笑)でも、もう18歳なので、これからは成年なんですよね。今は申告制でその都度渡しているけど、今後は自分で管理するという責任を持つ必要があるし、資産運用の必要性を伝えていかないといけないなと思いますね。

周りのご家庭ではお小遣い制が多いですか?申告制が多いですか?

Gさん:お小遣い制が多いと思います。ただ、友達同士で遊園地に行くなどのイベントがあった時は追加で渡してるみたいですけどね。

Eさん:たしかに(お小遣い+申告の)併用型が多いですね。うちもそうかもしれません。お小遣いは自分でやりくりする範囲でお菓子やジュースを買うとか。親が干渉しないお金=お小遣いみたいになってる気がします。

Hさん:うちの場合は、遠くに遊び行くなどのイベントが決まった時には自分の貯金から出して行ってきたら?という感じで、逆に普段ご飯を食べてきた時には渡すようなやり方をしています。

Gさん:家庭によっても違うし、子供の性格によっても全然違いますからね。いろんなタイプがいるじゃないですか。先のことをちゃんと考えて、お金のこと考えているタイプもいれば、マイペースであんまり関心のない子とか。だから難しい。同じパターンで当てはめるというのは違うのかなという気はします。兄弟だとしても全然違うでしょうしね。

Hさん(大学2年生・中学3年生男の子ママ)は、
子供の意思でつみたて投資をスタート予定。実体験から長期投資の重要性を投資教育中!

Hさん:兄弟同じように(お小遣いを)与えていても全然違いますね。上の子はなるべく自分の貯金に手を付けたくないタイプみたいです。貯金に手を付けないように、大学生なのでもうバイトもしてますから、何とか自分でプラスを稼いでその分から使おうとする意気込みは感じます。それでも足りなくなると、親にプレゼンをしてきますね。(笑)そんな感じで、上の子は資金管理を頭の中でしているようなタイプです。逆に下の子は入ったお金をすぐに取り崩していっちゃう。ちょっとは節約しなきゃとは思っているようですが、上の子に比べると楽しむためには使っちゃおうというタイプですね。
投資教育については、先ほども言ったように上の子はもう投資ができる年齢になったので、本人の意思でつみたてNISAを始めてもらいたいですね。

お子さんにはどのようにつみたてNISAのことを伝えたんですか?

Hさん:やっぱり若いってすごくアドバンテージがあって、これからの長い時間、少額ずつでも積み立てていくことで、お金ってどんどん増えるんだよ、預貯金だとほとんど増えないよねと話していました。本人自身もすぐに使う予定があるわけではないお金を銀行に預けているので、(ほとんど増えていない)認識を持ってるんです。そんな中で私自身のつみたてNISAの明細を見せると、「こんな増えたりするんだ」と感じるみたいです。そういうことを本人も実感して、「じゃあ俺やるわ!」って言っていました。2024年にNISAの限度額も拡大される予定なので、その頃には自分で考えて欲しいですね。まずは自分でやってみて、ゆくゆくは周りの友達にも運用について話してみて欲しいなと思いますね。やっぱり若いうちから、少しずつでも早めに始めた方がいいと思っているので、そんなことも話しているところですね。

Gさん:親から聞く話より、友達から聞く話の方が素直に聞けるってこともあるし、こうやって資産運用の意識を若いうちから持つ人が広がっていくといいですね。

Q3.未就学児・小学生のパパママから、中・高・大学生のパパママへ聞きたいこと

①お子さんの夏休み・冬休みなどの長期休暇の時はどのように過ごしていましたか?

Gさん:うちは男の子なんで、いつか彼女ができた時には、家に寄り付かなくなると思って、(笑)家族3人での旅行の時間は大事にしていました。普段働いていると子供とゆっくり向き合う時間って限られてしまうので、旅行は家族水入らずでゆっくり楽しめる貴重な時間でした。この時間は後から取り返せないので、大切にしていたように思います。

Hさん:スポーツをやってると、そのキャンプなどがあったりして、学童よりもサッカーをしながら過ごすことが多かったです。そこで楽しくサッカー漬けの夏休みなどを過ごしていて、親が仕事で関われない時間も充実できるようになればいいなと考えていました。

②子供が小さい時にやっておけば良かった、やらなくても良かったと思うことはありますか?

Eさん:上の子供もまだ中1なのでそんな風に思うことはないですが、もう少し大きくなった時に子供たちの口座で投資信託を買ってあげたいですね。(投資信託を通して)親の仕事のことも一緒にわかってもらえたらいいなって思っています。

Iさん:Eさんと同じで中1なので、まだこれからって感じですが、強いて言えば、あんまり旅行とかに連れて行けてなくて、特にこの数年はコロナ禍で余計に行けてないですからね。今後はいろんなところに行きたいとは思いますね。
あと上の子には、お金を渡すから、どこか子供たちで自分の好きなところを調べて泊まりで行ってきてもいいよ、って言ってます。なかなか行こうとしないですけど。
自分で調べて、体験するって大事だと思うので、友達といろんなところを回ってもいいんじゃないかなと思っていますね。

Gさん:私は反省点としては、いろいろやってあげ過ぎてしまったのかもと思ってます。何に関してもひとりでできるのが遅かったりすると心配で助けてあげてしまったり…常に危ないと思って先に手を出し過ぎたかもって。もうちょっと小さい時から自分のことは自分でやるようにって習慣づけないとだめかなと思いました。

Hさん:私は、もっとちゃんと運用しとけばもっと良かったなって今すごく反省しています。学資保険は、学費に充てられて良かったですし、住宅ローンの繰り上げ返済なども行なっていたのでまとまった資金があったわけではなかったですが、Iさんのように、いくら分を投資に回すかきっちり決めて運用しておけば良かったなと思います。
充てられる比率は家庭ごとに違うかもしれないですけど、将来を考えて方針を決めておくって大事ですよね。でも今からでも全然遅くないので、下の子の教育資金や自分の老後資金のために始めたいと思っています。

まとめ
中・高・大学生編
教育資金・投資教育どうしてる?

  Eさん
(中学1年生女の子、5歳児男の子パパ)
Fさん
(高校1年生女の子パパ)
Gさん
(高校3年生男の子ママ)
Hさん
(大学2年生・中学3年生男の子ママ)
Iさん
(中学1年生男の子、小学5年生・3年生の女の子パパ)
教育資金 学資保険とバランス型の投資信託 学資保険を高校の学費などに充当 学資保険のお祝い金は大学の学費に充当予定。ターゲットイヤー・ファンドでリスク資産を調整中 学資保険のお祝い金を大学の学費に充当。つみたてNISAは継続 米国株式の投資信託でのつみたて投資
投資教育
(お金について)
日々の生活の中で経済活動を実体験できるように工夫 家族の身近な会話の中で、投資に関する話題をあげる お金の管理に責任を持ってもらうために資産運用の必要性を伝える 子供の意思でつみたて投資をスタート予定。実体験から長期投資の重要性を伝える お小遣いと運用額が連動するようなルールで仮想資産運用

教育資金という概念でお金の色分けをする方、将来のための資産形成という形で大きな枠組みの中で運用を行なう方、それぞれの家庭で方針を持って運用しているようです。
子供自身は、低金利の時代で、預貯金に置いていてもお金は増えないという認識があり、もしかすると親以上に感覚が強いのかもしれません。動画シリーズ「【小学生にもわかる!】資産運用のレッスン」はファーストステップとして資産運用を気軽に学べる内容ですので、親子でご覧になってみてはいかがでしょうか。
また、いろいろな性格の子がいるので、お金の使い方もそれぞれのようです。子供ごとにお金を使う様子を観察し、教育しているという声が聞かれました。