2.インフレ
なぜ今、資産運用が必要なの?

食品や日用品、外食費、電気代など、身の回りでも値上がりを実感することが増えています。「以前よりも同じ予算で買えるものが少なくなった」と感じている方も多いのではないでしょうか。こうした物価上昇、いわゆる「インフレ」が続くと、金額そのものは変わらなくても、お金の実質的な価値は徐々に下がっていきます。将来に向けてお金を準備するうえでは、「いくら持っているか」だけでなく、「そのお金でどれだけのモノやサービスを買えるのか」という視点を持つことが大切です。
インフレとは?
インフレ(物価上昇)とは、継続してモノ・サービスの価格が上がることを指します。
最近では、食品や日用品の値上げだけでなく、価格は据え置かれたまま内容量が減る「ステルス値上げ(シュリンクフレーション)」が増えています。たとえば、「お菓子の量が以前より少なくなった」「ティッシュの枚数が減った」といった変化がその一例です。値段が変わらなくても、受け取れる量が減っていれば、それは実質的に値上がりしたのと同じです。インフレを考える際には、こうした見えにくい変化にも目を向けたいところです。
インフレは、現金の価値にどのような影響を与える?
たとえば、今100万円で買えるモノがあるとして、もし物価が毎年2%ずつ上がったとすると、5年後にはその商品の価格は約110万円になるとしましょう。しかし、手元の100万円という金額自体は変わらないため、同じモノを手に入れるにはお金が足りず、100万円の実質的な価値は約90万円相当まで目減りしてしまうということです。
物価が2%ずつ上昇した場合…
上記はイメージ図です。将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。(作成)野村アセットマネジメント
長期に見れば、インフレの影響はさらに大きくなります。以下のグラフは、インフレ率別に元本100万円の20年後の実質的価値を比較しています。
たとえば、20年間にわたって物価が毎年2%ずつ上昇した場合、現金のまま置いている100万円の実質的な価値は約67万円相当まで目減りしてしまいます。現預金であれば額面金額自体が減ることはありませんが、実質的価値が目減りする可能性があるのです。
インフレ率別・元本100万円の20年後の実質的な価値
上記はイメージ図です。将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。(作成)野村アセットマネジメント
日本でも世界でも、インフレは特別なことではない
最近のモノやサービスの値上がりを見て、「一時的なことでは?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、こうしたインフレは、日本に限った話ではありません。世界に目を向けると、物価がある程度上昇していくことは、珍しいことではないとわかります。以下のように、日本だけでなく、英国、米国、インドでも長期的に物価は上昇してきました。
日本、英国、米国、インドのインフレ率
| 日本 | 英国 | 米国 | インド | |
|---|---|---|---|---|
| 全期間平均 | 2.8% | 5.0% | 3.7% | 7.2% |
| 過去10年間 | 1.3% | 3.3% | 3.1% | 4.8% |
| 2025年 | 3.2% | 3.9% | 2.7% | 2.8% |
※ 全期間平均は1956~2025年(インドは1958年~)、年次の平均値。過去10年間は2016~2025年(年次)の平均値。
(出所)OECDデータ(https://data-explorer.oecd.org/)及び日本の2021年~2025年は総務省統計局データ(https://www.e-stat.go.jp/)より野村アセットマネジメント作成
このように、インフレは日本でも世界でも特別なものではなく、長い目で見れば私たちの資産に影響を及ぼす前提として考える必要がありそうです。
インフレに強い資産とは?
そこで、現預金で保有している資産の一部をインフレに強いとされる資産に置き換えることで、インフレから資産を守ることが期待できます。では、どのような資産がインフレに強いとされているのでしょうか?
一般的に株式は、インフレに比較的強い資産の一つといわれます。企業がコスト上昇分を価格に転嫁できる場合、売上や利益の拡大につながり、株価にプラスに働くことがあるためです。もっとも、インフレ局面では金利上昇などの影響で、短期的に株価が下落することもあります。一方で、個別の株式に投資するには、企業ごとの情報を調べる必要があるほか、まとまった投資資金が必要になる場合もあり、難易度が高いものです。そうした負担を抑えながら株式投資を取り入れる方法の一つとして投資信託があります。投資信託は、複数の投資家から集めた資金をもとに、運用の専門家が株式や債券などに投資する金融商品です。少額から始められる商品も多く、一つの商品で複数の資産に分散投資できるため、初心者にとっても取り入れやすい仕組みといえるでしょう。投資をこれから始める方は、株式を投資対象とする投資信託も選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。