MARKET REPORT

【石黒英之のMarket Navi】一極集中相場の後は物色が広がる傾向がある?

2026年07月23日

ポイント① 一極集中相場後は物色広がる?

今年の日本株はAI(人工知能)関連株に資金が集中する場面もありましたが、足元では物色に広がりが出てきました。半導体関連株で構成されるSOXが高値をつけた6月22日まで、TOPIXの騰落率を上回った銘柄比率は年初来で27%と99年以来の低水準となるなど、物色が一部の銘柄に集中していました(図1)。

ただ、足元では物色に変化がみられます。7月22日午後の東京市場でも、テック株の寄与度が高い日経平均株価が失速する半面、相場全体の動きを示すTOPIXが底堅い展開となるなど、幅広い銘柄へ資金が向かっています。6月22日から7月22日までにTOPIXの騰落率を上回った銘柄比率は71.8%へ上昇しました。過去を振り返ると、一極集中相場の後は多くの銘柄が指数を上回る傾向があり、今回も出遅れ銘柄への見直しが期待されます(同図)。

図1 TOPIX(東証株価指数)構成銘柄のうち
TOPIXの騰落率を上回った銘柄比率

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期間:1995年~2026年、年次
・2026年は2025年末~2026年6月22日、2026年6月22日~2026年7月22日の2期間
・2026年6月22日は半導体関連株で構成されるSOX(フィラデルフィア半導体株指数)が最高値をつけた日
・水色の棒グラフは物色が極端に偏った年・期間、赤色の棒グラフはその翌年・次の期間
(出所)Bloombergより野村アセットマネジメント作成
 

ポイント② 日本企業の改革進展が焦点に?

こうした動きが続くかを考える上で、今後の焦点となるのが企業改革です。23年の東証改革以降、日本を代表するTOPIX Core30企業群では資本効率を重視した経営が進み、ROEが改善しました(図2)。今後はコーポレートガバナンス・コード改訂を機に改革のすそ野が広がり、企業価値向上に取り組む企業を評価する動きも強まりそうです。

AI関連株は高い利益成長が見込まれ、引き続き有望な投資先と考えられます。一方、企業改革や日本経済の拡大の恩恵を受ける企業にも物色が広がれば、日本株全体の上昇基盤は一段と厚みを増すと考えられます。物色のすそ野が広がることは、日本株相場を支える力になりそうです。

図2 TOPIXと同ニューインデックスシリーズの
ROE(自己資本利益率)4時点比較

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期間:2023年3月末、2024年5月末、2025年5月末、2026年5月末時点
・東証が上場企業に対して資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて改善を要請した2023年3月末、24/3期、25/3期、26/3期本決算が出揃った2024年5月末、2025年5月末、2026年5月末の4時点を比較した
(出所)Bloombergより野村アセットマネジメント作成
 

*当資料は、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。