MARKET REPORT

【石黒英之のMarket Navi】日米協調介入実施で円安基調は一服するか?

2026年08月03日

ポイント① 日米協調介入実施で一転円高方向に

日本時間の7月30日から8月1日にかけての、当局による断続的な為替介入を受け、円相場は大きく円高方向へ動きました(図1)。31日以降は15年ぶりの日米協調介入だったとのことで、投機筋は円売り圧力を強めにくくなったとみられます。米当局が円安是正を容認するとの見方が意識されており、円の先安観はひとまずやや後退したとみています。

一方、日銀は7月30~31日の金融政策決定会合で政策金利を据え置いたものの、植田総裁は必要に応じて利上げペースを速める可能性にも言及しました。同総裁は、円安など為替が物価へ及ぼす影響を注視する姿勢を示しており、市場では追加利上げが早まるとの意識も高まりつつあると考えられます。

図1 7月30日~8月1日(日本時間)の
米ドル円とユーロ円の推移

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期間:2026年7月30日6時~2026年8月1日5時59分(日本時間)、1分足
(出所)Bloombergより野村アセットマネジメント作成
 

ポイント② 当面はレンジ内での取引が続くか?

こうした政策対応は市場参加者の行動にも影響を与えそうです。直近、投機筋の円の売り持ち高は高水準に積み上がっていました(図2)。ただ、一段の日米協調介入への警戒や日銀の利上げ観測に加え、円は著しく過小評価されているとの米財務長官の発言などを踏まえると、新たな円の売り持ち高は積み増しにくくなったとみられます。高水準の円売りポジションが圧縮へ向かえば円の買い戻しを通じて、円安基調が短期的に一服する展開も想定されます。

一方、日本では企業や家計による外国投資意欲も高まっており、実需の米ドル買い需要は根強いです。当面の米ドル円相場は1米ドル=150~164円程度での推移を想定しています。投機筋の持ち高解消や日銀の追加利上げ観測が円高圧力となる半面、実需の米ドル買い需要が下支えすることで、当面はレンジ内で推移する可能性が高そうです。

図2 円の投機筋ロングポジション・ショートポジション

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期間:2022年1月4日~2026年7月28日、週次
・CFTC(米商品先物取引委員会)のデータを用いた
(出所)Bloombergより野村アセットマネジメント作成
 

*当資料は、一部個人の見解を含み、会社として統一的見解ではないものもあります。