お知らせ
中東情勢と原油価格急騰に揺れるグローバル経済・金融市場について
2026年03月09日
2月28日に米国とイスラエルがイランに対する軍事作戦を開始してから約10日が経過しましたが、状況は依然として緊迫しています。米国・イスラエルによる軍事作戦が継続しているほか、イランが近隣国への攻撃を行なっており、現状、収束の目途が立っていません。
イランでは、最高指導者ハメネイ師が攻撃で死亡したことを受け、新たな最高指導者としてモジタバ師が選出されました。ただし、米国とイスラエルが同師に否定的な見方を示していたこともあり、新たな体制が状況の好転に繋がるかは不透明です。むしろ、対米強硬姿勢を持つとされるモジタバ師や新たな体制に対し、米国とイスラエルが一段と圧力を強め、軍事作戦の長期化に繋がるリスクがあります。
こうした状況において、軍事作戦の持続性やその影響の範囲・程度を巡る不確実性は高まっています。特に、原油輸送の要衝とされるホルムズ海峡の事実上の閉鎖により、原油輸送・供給への懸念が強まっており、WTI原油先物価格は1バレル110ドルを超えました(日本時間の3月9日午前)。原油輸送・供給を巡る混乱の長期化は、世界経済に対するスタグフレーション的な影響(景気の鈍化とインフレ率の上振れが同時に進行する状況)を強めるものとなるでしょう。
このような不確実性や世界経済への懸念により、金融市場ではリスク回避的な動きが続いています。今後についても、各資産クラスへの影響について注視して参ります。
<日本株式>
中東情勢は更に混迷が深まる状況になっており、これを起因とした原油価格上昇を警戒し日本株式市場は下落、日経平均株価は一時51,000円台まで下落しました(3月9日時点、大引は52,728.72円)。殺害されたハメネイ師の後継となる最高指導者に、ハメネイ氏の次男で反米保守強硬派のモジタバ・ハメネイ師が選出されたと報じられ、今回の軍事作戦終結への不透明感が一層強まったことが株価下落の主因と考えます。米トランプ大統領はイラン指導部の壊滅まで攻撃を継続する姿勢を示す一方、イランは周辺国への攻撃を継続するなど、ホルムズ海峡の正常化に向けたシナリオが見えにくくなっています。
また、WTI原油先物価格の急上昇によりファンダメンタルズへの波及が無視できない段階に入りつつあり、特に原油輸入依存度が高い日本にとってはその影響が懸念され、株価大幅下落の理由となっています。この戦闘状態の継続性に関しては様々な意見があるものの、当面は戦闘の収束時期を見定める不安定な相場展開が続くと想定します。
一方で、引き続き中長期的には日本の来期企業業績は堅調が見込まれること、ガバナンスの進展も継続し株主還元強化の流れも続くことなど、日本市場固有の投資機会は失われていないと考えています。企業業績影響への不透明感を払拭出来ない中では当面慎重なポートフォリオ運営のスタンスが求められますが、指数は昨年末に近い魅力的な水準まで下がってきていることを念頭に、投資機会を探っていく姿勢も必要と考えます。
なお、エネルギー資源の輸入依存度の高さなどが意識され、週明けのアジア株式市場は、日本同様、韓国や台湾を中心に大きく下落する展開となっています。投資家のリスク回避姿勢が鮮明となる中、米欧株式市場がどのような動きを見せるか注視します。
常務CIO 村尾 祐一
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