MARKET REPORT マーケットレポート
【石黒英之のMarket Navi】日米の長期金利上昇と株式市場の今後を考える
2026年05月19日
ポイント① 日米で長期金利上昇圧力強まる
日米株式市場では、長期金利上昇を受けて上値の重い展開が続いています。背景には、中東情勢緊迫化による原油高と、それによるインフレ懸念があります。米国ではFRB(米連邦準備制度理事会)の早期利上げ観測が台頭し、日本でも追加利上げ観測が高まっています。また、各国の財政拡張懸念も長期金利の上昇につながっているとみられ、市場では金利の先高観が高まっています(図1)。
特に米国では、株式益利回り(S&P500)と米10年国債利回りとの差を示すイールド・スプレッドが18日時点で0.2%ポイント程度まで縮小しています。これは債券と比べ相対的に株式の割高感が意識されやすい状況になっていることを示しています。実際、これまで市場をけん引してきたAI(人工知能)関連株の一角には、利益確定売りも目立ち始めています。
図1 S&P500・TOPIX(東証株価指数)と
日米10年国債利回り
期間:2021年1月8日~2026年5月18日、週次
(出所)Bloombergより野村アセットマネジメント作成
ポイント② 業績拡大の継続期待が株価の支えに
もっとも、重要なのは企業業績の方向性です。日米企業の12ヵ月先予想EPSは拡大基調が続いており(図2)、市場では1年後、2年後も同EPSの成長が続くとみられています。長期金利上昇は株価の重荷となりやすいものの、利益成長が続けば、これまでと同様にその影響を十分に吸収できる可能性があります。世界的なAI関連投資の拡大持続が、中長期的な利益成長期待を支える要因となりそうです。
株価は短期的には金利や投資家心理の影響を受けやすい一方、中長期的には利益成長に収れんしていく傾向があります。金利上昇局面では値動きが不安定になりやすいものの、日米企業の利益成長が続く限り、中長期的な株高基調は維持される可能性が高いといえそうです。
図2 S&P500・TOPIXの12ヵ月先予想EPS
(1株当たり利益)と日米10年国債利回り
期間:(日米10年国債利回り)2021年1月8日~2026年5月18日、週次
(その他)2021年1月8日~2026年5月15日、週次
(出所)Bloombergより野村アセットマネジメント作成
*当資料は、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。
期間:2021年1月8日~2026年5月18日、週次
期間:(日米10年国債利回り)2021年1月8日~2026年5月18日、週次