MARKET REPORT

【石黒英之のMarket Navi】騰勢を強める半導体関連株はバブルなのか?

2026年05月29日

ポイント① 半導体関連株はバブルなのか?

半導体関連株が騰勢を強めています。生成AI(人工知能)を巡る世界的な開発競争が加速するなか、巨大テック企業によるAI向け投資が拡大しており、高性能半導体への需要が急増しています。こうした流れを背景に、半導体関連株で構成されるSOXは上値追いの展開が続いています。AI向け半導体市場では需給ひっ迫感も強く、市場が予想する関連企業の業績見通しは大幅に切り上がっています。

もっとも、株価上昇ピッチの速さから「半導体関連株はバブルではないか」との見方もあります。ただ、バリュエーションをみる限り、過熱感はなお限定的です。実際、SOXの12ヵ月先予想PERは28日時点で26倍台と、近年のピーク水準の29倍程度を下回っています(図1)。株価だけが先行して急騰しているわけではない点は重要なポイントといえます。

図1 SOX(フィラデルフィア半導体株指数)と
同12ヵ月先予想PER(株価収益率)

SOX(フィラデルフィア半導体株指数)と同12ヵ月先予想PER(株価収益率)

期間:2023年1月3日~2026年5月28日、日次
(出所)Bloombergより野村アセットマネジメント作成

ポイント② 業績拡大に沿った実体ある株高か?

これだけ株価が大きく上昇しているにもかかわらず、PERの過熱感が乏しい背景には、企業利益の急拡大があります。SOXの12ヵ月先予想EPSは力強い伸びが続いており、市場では今後も高い利益成長が続くとの見方が優勢です(図2)。生成AI市場の拡大期待を追い風に、AI向けデータセンターへの積極投資は続くとみられており、半導体需要は今後も高い伸びが続く可能性があります。

2年後の12ヵ月先予想EPSを基に、近年のPER上限水準を当てはめて試算すると、SOXは2万ポイント超えも視野に入ります(同図)。短期的な値動きの大きさには注意が必要ですが、現状は投機主導のバブルというよりは、業績拡大に沿った実体を伴う株高局面と捉えることができそうです。

図2 SOXと同12ヵ月先予想EPS(1株当たり利益)

SOXと同12ヵ月先予想EPS(1株当たり利益)

期間:2016年1月8日~2026年5月28日、週次
印は1年後、2年後の12ヵ月先予想EPS(2026年5月28日時点のBloomberg予想)
(出所)Bloombergより野村アセットマネジメント作成
 

*当資料は、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。