MARKET REPORT

【石黒英之のMarket Navi】先高期待強まる半導体関連株の上値余地は?

2026年06月15日

ポイント① 半導体関連株はバブルではない?

半導体関連株が再び騰勢を強めています。生成AI(人工知能)を巡る世界的な開発競争が加速するなか、高性能半導体への需要は急増しています。AI市場の拡大期待を背景に、半導体関連株で構成されるSOXは最高値更新を窺う展開となっています。最近の米インフレ再燃への警戒感の後退や米長期金利の落ち着きも支えになっているとみられます。

もっとも、株価上昇ピッチの速さから「半導体関連株はバブルではないか」との見方もあります。ただ、バリュエーションをみる限り、過熱感はなお限定的です。実際、SOXの12ヵ月先予想PERは12日時点で26倍台と、近年のピーク水準の29倍程度を下回っています(図1)。株価だけが先行して急騰しているわけではない点は重要なポイントといえます。

図1 SOX(フィラデルフィア半導体株指数)と
同12ヵ月先予想PER(株価収益率)

SOX(フィラデルフィア半導体株指数)と同12ヵ月先予想PER(株価収益率)

期間:2023年1月3日~2026年6月12日、日次
(出所)Bloombergより野村アセットマネジメント作成

ポイント② 業績拡大に沿った株高の側面強いか

株価上昇にもかかわらずPERの過熱感が乏しい背景には、企業業績の急拡大があります。SOXの12ヵ月先予想EPSは力強い伸びが続いています(図2)。生成AI市場の拡大を追い風に、積極的なAI向けデータセンター投資も続いており、半導体需要は今後も高い伸びが続く可能性があります。

2年後の12ヵ月先予想EPSを基に、近年のPER上限水準を当てはめて試算すると、SOXは2万1,000ポイント超も視野に入ります(図2)。短期的には金利動向や投資家心理で値動きが大きくなる場面もありそうですが、現状は投機主導のバブルというより、業績拡大に沿った株高と考えられます。AI需要拡大を背景とした利益成長シナリオに大きな変化はなく、半導体関連株の上昇余地はなお大きいと考えています。

図2 SOXと同12ヵ月先予想EPS(1株当たり利益)

SOXと同12ヵ月先予想EPS(1株当たり利益)

期間:2016年1月8日~2026年6月12日、週次
印は1年後、2年後の12ヵ月先予想EPS(2026年6月12日時点のBloomberg予想)
(出所)Bloombergより野村アセットマネジメント作成

*当資料は、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。